梶山季之《青いサファイア》 | 福岡の弁護士|菅藤浩三のブログ

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 小豆先物市場を舞台にした、梶山季之の小説’赤いダイヤ ’の登場人物。赤いダイヤの主役の1人木塚慶太が一方的に好きになった、稀代の美女井戸美子を悪女の主役に据えたスピンオフ作品。なので赤いダイヤを先に読んでおく方が井戸美子のキャラクターを把握するには有用でしょう。

 赤いダイヤと異なり、青いサファイアという言葉にほとんど意味はなく、昔はスピンオフという言葉が無かったので、派生作品だよという匂いを持たせるためにそのタイトルを採用したんでしょうね。

 ネットに感想文が全くなかったので、簡単に話を説明しますと、、、

 赤いダイヤのラストで、1度失脚しかけた井戸美子が、持ち前の美貌と抜群のスタイルを悪い方向で活かして、九州の田舎の百貨店オーナーから騙す形で金を巻き上げ、2代目の鉱山持ちの御曹司と金持ちのプロレスラー(当時は力道山のようにプロレスラーはナイトクラブを経営したり大金持ちの職種でした)を両てんびんにかけて、片方と結婚した挙句に完全犯罪もどきで夫を殺させてまんまと莫大な遺産を相続したり、相続した遺産を使って熱海(当時は熱海は社員旅行や新婚旅行のメッカでしたもんね)に日本初のカジノリゾート開発に着手し、有力政治家を罠にかけてカジノ開設のための法案を提出させようとしたり。。。ととんとん拍子に男性を陥れることと引き換えにのし上がっていくという話です。

 むろん、彼女が最後は誰の手でどうなってしまうのかまではネタバレになるので書きませんけれども、昼ドラのような展開テンコ盛りです。

 梶山季之は当時の人気作家で、出版作品が当時次々と映画化されています。それだけエンターテインメント豊かな人だったんでしょう。
 正直、「幾ら美人でも地位も金もある男がそんなにコロコロひっかかるか~」「赤いダイヤの頃に比べ、ずいぶん経済に敏い女性に替わってしまっていないか~」と不自然な部分はあるのですけれども、昼ドラの原作も似たようなもんだと割り切れば、まあまあ楽しめる作品ではないでしょうか。
 ただし、断言しますが、赤いダイヤの方がぐっと面白い作品ですので、梶山季之に興味があるならばそちらを先に読むべきでしょうね。
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