#690 トヨタカローラ埼玉 与野店 ~リアルトミカラマ~ | 関東土木保安協会

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東京電力PG大宮線を探索していたところ、R17沿いにレトロなカーディーラーの建物を見つけました。


「トヨタカローラ埼玉」の壁面の文字。
トヨタ自動車のカローラ店だったようです。
だった、というのが、見ての通り移転しましたの文字があり車が1台も停まっていないためです。


フォント、色合い、特徴的な窓、タイル。
共に見事な昭和テイストで打ちのめされます。
1960~70年代の建物でしょう。
つい最近まで使われていたのでしょう。
よくぞ天下のトヨタグループで現役でいたものです。


昔の建築物でよく見る、張り出した軒です。
エントランスの屋根も兼ねているのでしょう。
Pとありますが、ここで納車式も行ったりしたのでしょうか。
団塊の世代のお父さんがカローラを買って、営業さんに見送られていく。そんな光景が何度も何度もあったのだろうと、勝手にしみじみと盛り上がっていました。


張り紙がありました。
トヨタカローラ埼玉与野店だったようですね。
統廃合による閉店でした。
ほぼこの姿で今年まで営業していたということが、奇跡的ではあります。


建屋の隣には立体駐車場がありました。
新車2階展示場と書いてあるので、ここにも新車が並んでいたのか、建屋2階に置いてあったのか、そんなところなのでしょう。
試乗車は2階だったかもしれませんね。
その下はガレージになっており、点検整備はここで行えたようです。


急なスロープで2階に登ります。
案外背の高いミニバンでも通過できそうな高さですが、車両的には一昔前の車の大きさで作られているような小ささです。
トミカの街のジオラマの建物でこんなのがありそうですね。
(あれは立体パーキングでしたっけ)


歩道橋が隣にあるので上から見てみます。
錆び付いた照明もレトロでいいですね。
亀の甲の路面もいいですね。
さっきから誉めてばかりですね。


立体駐車場の2階の上には屋上部分もありました。
ここにも車が停められるようです。
ビルの内部を抜けて登っていくような造りなのでしょうか?


令和5年。2023年。
この建屋も半世紀くらいは経つと思うのですが、カーディーラーという特殊な建物ですから、きっと更地にされてきれいになくなってしまう事でしょう。
残念ですが、記録できて良かったです。
古い店舗は、その企業が記録しない限り、マニアでもいないと写真も残っていなかったり、個人の昔の風景写真でちらっと残る程度で、後から楽しむ分には残念なことが多いなと思います。


六角形の特徴的な窓。
藍色系の長方形のタイル。
昭和期のトヨタの壁面の看板フォント。
一文字一文字設置された照明。
細い屋上の手すり。
中山道の1つの情景を長年支えてきたことでしょう。
中山道もバイパスですから、モータリゼーションのらしいアイテムと言えばまさにそのものです。
昭和の主要バイパスに設けられたカーディーラー。
とても味わい深いですね。


この後どうなるかわからないですが、カーディーラーも記録しておかないと、と思うのでした。



〈参考〉
・トヨタカローラ埼玉 : 与野店 店舗統合による閉店のお知らせ