#579 【一塔両断】 NTTコミュニケーションズ 横浜西ビル 電波塔 | 関東土木保安協会

関東土木保安協会

Kanto Civil Engineering Safety Inspection Association

~ 土木の迫力 機械の技術 礎となった名も無き戦士達の魂 ~
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横浜駅西口、2つのタワーの続きです。

東京電力の鉄塔から少し東へ行くと、もう一本のタワーがあります。
こちらは少し横に長く、迫力のある面構えのビルですね。
旧電電公社、現NTTコミュニケーションズの横浜西ビルです。


グレーのタイルで落ち着いた雰囲気ながら、ファサードには並んだ小窓がずらり、回り込むと窓がない搬入口だらけの無機質な一面を見せてくるその姿、まさに威風堂々の電話局です。
ビルはかなり古く、60年代からあるのではないでしょうか。
東電ビルがかわいく見えるような迫力を備えています。


鉄塔は足元に支えが入るモノポールのデザインです。
NTTではパイプシリンダー型と呼ばれる都市型のデザインです。
送電鉄塔の美化鉄塔のような位置付けなのでしょう。
他に大手町にもこのタイプがあります。
架台は一番上にしかないですが、プラットフォームは自在のようで、塔体の中ほどにもアンテナを設置できるようです。
少し不格好に見えてしまいますかね。


今ではすっかり基地局機能が主要な役割になってしまいました。
駅前に鎮座する紅白の高塔の威厳も薄らいだように見えます。


塗装が暫くされていないようです。
剥げ落ちた部分がまた痛々しいですね。
航空障害灯が撤去されているようにも見えます。
もし再塗装されたら、紅白の縞模様は見納めかもしれません。


変わった開き方をする窓です。
コロナ対策でしょうか、昔のビルなんで窓が普通に開くんですね。
それにしても、アップの絵面もレトロかっこよいです。



日本を支えてきた、東京電力、電電公社。
自由という名の荒波にもまれて令和の現代に立つ2塔に、興味本意で見たくとも味わいたくない、そんな威厳の残映を感じるのでした。