#490 コベルコパワー真岡発電所 2019/5 | 関東土木保安協会

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関東土木保安協会です。
「令和に生まれ、令和に育ち~」
なんていい響きなんでしょう。 
こんなかっこいいことを言いたくなってしまうのが、コベルコパワー真岡発電所なのです。
以前から栃山線の接続部の開閉所を訪れていましたが、この度初めて建設中の発電所を外から見てみました。


コベルコパワー真岡発電所は2019年度内に1号機が稼働しようとしている、コベルコ(神戸製鋼)グループが建設した発電所です。
発電機は2基で、最大出力は合計約125kWという大出力で、栃木県内のデマンド値の40%にも匹敵します。
この電力は154kV級の新設送電線により、既存送電網へ連係します。


建設は清水建設と竹中工務店のJVで行われており、内部機器と据付けは富士電機が担当します。

このように、見学者向けの施設も建設している様子が伺えますので、完成後は内部見学の開催に期待ができますね。


こちらが南側から見た発電所工事現場です。
雑草が広がる広大な敷地はまるで埋立地が広がる臨海工業地帯です。
二本の煙突と巨大な発電施設群がそびえ立っていました。


1号機がについてはこの5月に試運転を開始したということで、煙突からはモクモクと煙があがっていました。


こちらには大きな鋼管が組まれています。
2号機向けでしょうか。すごい大きさです。


上写真の引きが下写真ですが、発電所の建物から離れた場所で何やら組み上げているのが伺えます。
このクレーンでは吊り上げられなさそうですね。


道路に面したところから中が見えましたよ。
こちらは竣工前の2号機です。
2号機は2019年度末の完成予定とのことで、目下工事中です。


巨大な煙突がそびえ立ちます。
現状で国内最高クラスの高効率ガスタービンコンバインドサイクルとのことで、熱効率はいかほどでしょうか。


地面を見てみると、東京ガスのマンホールがありました。
その先に続く掘削跡からわかるように、東京ガスのガス配管が埋設されているようです。
供給量からして、ここではないところから幹線が入っているのでしょうか。
東京ガスは、2015年に竣工した「茨城ー栃木幹線」を用いて、茨城は日立市から都市ガスのパイプラインを引き込んでいます。
代わりに、コベルコパワーとは15年契約で電力供給受けるとしています。


発電所です。
煙突の前ですので、熱回収のボイラーなんでしょうか。
それにしても非常に大きいですね。
手前の階段に写る人間が分かりますでしょうか。
とんでもないスケール感です。


ぐるりと北側に回って、発電所の建屋の方の入口です。
パッと見は普通の工場に見えるような造りです。
見学者などはここから入るのでしょうか。


発電所から供給される電力は、コベルコパワー真岡線にて送電されますが、これはその1号鉄塔です。
発電所はコベルコパワーの所有ですが、迎えに行く送電網は東電PGのものとなります。
相間で腕金をずらした配置で立ち上がりを受けていますね。
架空地線の付け方が面白いですね。


送電線は2号鉄塔から西へと向かいます。
これからを担う若手の輝き、整然と並ぶ姿はなお美しいです。
工業地帯のためかクリアランスを高めにして設計されています。
3号鉄塔などは、鉄塔下の用地も工場内で使用したいためか、各脚をかさ上げしています。


コベルコパワー真岡線は、鬼怒川越えの後にこのまま北関東道沿いに西へ向かい、栃山線へ連係します。
シンプルで必要最小限にして十分が備わっている彼ら、見ていると可愛らしくも頼もしいのです。


発電所ができる頃、また伺うとしましょうか。
楽しみですね。


令和に生まれ、令和に育つ、送電線。
君よ、令和の輝く星となれっ!



〈参考〉
・株式会社神戸製鋼所:真岡発電所 起工式開催について