#446 赤羽台団地に残る4つの星① ~輝けスターハウス~ | 関東土木保安協会

関東土木保安協会

Kanto Civil Engineering Safety Inspection Association

~ 土木の迫力 機械の技術 礎となった名も無き戦士達の魂 ~
関東土木保安協会は、鉄とコンクリートの美学と保全活動を追求します。


関東土木保安協会です。

今回は珍しく団地です。
多くのファンを虜にするスターハウスを見に赤羽台団地へ来ましたよ。
当日は曇天で彼らの行く末を示すような天気でしたが、そんな中でも輝く4つの星を見てみましょう。



赤羽は、こちらの記事でもあるように、台地がよく感じられる土地で面白いです。
このように、駅から西に1分も歩くとすぐにトンネルが見えてきます。 
このトンネルの上が赤羽台団地です。


トンネルの右上をみてください。
V字になった集合住宅、あれがスターハウスです。
これは少し前の写真で、エレベーターを建てている真っ最中です。今は足場はほとんど外されました。

さぁ、細い路地から登ってみましょう。


趣のあるガードレール。
へこみもせず亀の子路面の坂を下る住民を見守り続けて何十年でしょうか。

現在所有するUR都市機構によると、赤羽台団地は旧日本住宅公団により1962年に建設されたとのことです。
総戸数は3,373戸で、23区内では初めて1,000戸を越える大規模団地だったとのことです。

下の図はUR公式サイトより転載したものですが、赤羽台団地が現在のヌーヴェル赤羽台にリニューアルされる前の姿です。
図中の中央下部に黄色いテトラポット状のアイコンが見られますが、これらがスターハウスです。


さて、坂を登り終えると、案内図があります。
これが2018年現在の赤羽台団地の姿です。
スターハウスは42号棟から49号棟まであったものの、すっかり減ってしまったのが分かります。
現在は42~44号棟、49号棟の計4棟が現存しています。


団地全体もヌーヴェル赤羽台ブランドの建物に更新が進み、スターハウス群を飲み込んでいったのが分かりますね。
東へ進み、残り少ないスターハウス達を見ていきましょう。

これは42号棟で、一番西にあり、東へ向かって43、44号棟と続きます。
右奥に写っているのは44号棟です。


入口は塞がれていない状態でしたが、入居者は1世帯くらいに思え、ほとんどが空室のように見受けられました。
住所のプレートが4-42ですね。


人気が少なくなった建物でも、特に集合住宅などを目にすると、集合住宅出身者でもないのに、賑わっていた当時を勝手に浮かべてしまいます。
子供たちのかけ降りてくる音、布団を干す音、御近所付き合いをするお母さん、遅くに飲み会から帰宅するお父さん。

廃線跡の列車を想像してしまうのと似ていますね。



こちらは43号棟です。
隣に大木があるので階段入口辺りは木漏れ日で気持ち良さそうです。


各スターハウスは淘汰寸前のためか、何ヵ所かでパイロンが設置されていました。
ここもこんもりした雑草と共にパイロンとトラバーが並んでいました。
近寄ってみると、ここはすでに立ち入り禁止でした。


南京錠とベニヤ板にてしっかりと閉ざされた入口。
半世紀もの間、何世帯もの愛を受け入れた建屋は、静かに眠りにつきます。


旧態の団地と言えばエレベーター無しの階段。
私もマンション住まいの時には、引っ越し会社にはその都度「エレベーターはありますか?」と聞かれました。
ここも新しい家族が出入りする度、引っ越しのお兄さんらは汗だくになったことでしょう。


43号棟と44号棟の間にはくらげ公園という広場があります。
近未来的な、不思議な形のアトラクションが設置されています。
これがくらげさんなのでしょう。


なかをチラッと覗いてみました。
狭い!
小さい頃にこういうのを見つけてはにこにこ入っていった私はもういません。
諦めましょう。


今回はここまでにして、次回44号棟から見ていきましょう。


〈参考〉