#399 【マニアな一基】 ~オラオラJr. 大泉~ 東京電力富士重工大泉線 | 関東土木保安協会

関東土木保安協会

Kanto Civil Engineering Safety Inspection Association

~ 土木の迫力 機械の技術 礎となった名も無き戦士達の魂 ~
関東土木保安協会は、鉄とコンクリートの美学と保全活動を追求します。


関東土木保安協会です。

計3回に渡りお伝えしたオラオラ系の邑楽君ですが、太田市内を走っているとこれまた面白い鉄塔を見つけました。
東京電力の富士重工大泉線です。

邑楽線を追っていくと、途中で分岐する送電線です。
6.6kV2回線。その名の通り富士重工の工場向けへの送電線です。
スバルの街と言うだけあって、同一の送電線から複数の同一会社の工場へ分岐しているとは、太田はやはりスバルの街ですね。


▲鉄塔が道路を跨いでいる

鉄塔の道路跨ぎは結構見かけますが、あのオラオラ敷設の邑楽線を見た後でこれを見ると、お前もかとツッコミたくなってしまうマニアの性でございます。

普通の四角鉄塔には立派な足が4本立てられ、5mの嵩上げをして道路を跨いでいます。
MC鉄塔にもしてない辺り、ここの敷地制約の限界なのか、コストの兼ね合いなのかを考えさせられ、面白いですね。
住宅街の中だからでしょうか、各足は円柱になっており、すこし和らいだ印象を醸し出しています。
鉄塔への昇柱用の梯子は据え付けられていますが、いたずら防止でカバーされています。


▲右には階段があるがカバーされている

中に入ると、これまた綺麗な結界を拝めました。
1987年4月竣工の31mの鉄塔です。
4号鉄塔になります。


▲結界も綺麗に見ることができる

鉄塔には河川土地占用許可の証書が付けられていました。
河川の上には建っていませんが、線下占有を考えると道路からはみ出しがあるので、その分でしょうか。
こちらは竣工時からのものらしく、とりあえずの1986年~1989年までの許可証です。



▲河川土地占用の許可。竣工時の物だ

それで、時期がきたら撤去するこういう掲示を立派にコンクリートに付けちゃったものですから、撤去もされず残っているわけで、契約更新版は別の場所に貼ってありました。


▲こちらは許可証の更新版

最も最適なルート選定をすると出てくる障壁に対し、どのような解で挑むかはその設計者や周辺地域の環境などに左右されるのでしょうが、ここは川の上を通過してやり過ごしているパターンであったようです。

手前の2号、3号は隣を流れる休泊川を跨いでいますが、4号は恐らくですが河川が広く跨げないため、隣の道路を跨ぐ格好にしたようです。
手前の3号鉄塔もこんな裾広がりな形です。


▲同3号鉄塔。川を跨いでいる


うーん、オラオラ系の邑楽線からするとだいぶ謙虚な感じがしますが、食後のあとのコーヒーならぬ、少しお腹いっぱいな私にはぴったりの、富士重工大泉線でした。