自家製の糠床で漬けた
糠漬けが好きだ。

1番好きなのは人参。
そしてブロッコリーの芯。

人参の糠漬けを食べたら、
もう死んでもいいくらい、
最上級の至福の時間が訪れる。


そんな糠床に
ピンチが訪れたのは数週間前。

いつものように
糠床の入っている
タッパーを開けると、
ツーンと鼻につく臭いがした。

シンナーのような
刺激臭だ。

ショックが隠しきれない。

この糠床は歴代、
何代目だろうか?

今の糠床は、
12月に埼玉県飯能市にある
OH!!!発酵テーマパークの
糠床ワークショップで
こしらえてきた糠床だ。


かれこれまだ、
数ヶ月しか経ってないのだ。
無念にも、ここで惨敗か‥

糠漬けが好きと言いながら、
自家製の糠床は、
実はもう何度も
サヨナラしている。

長く持っても一年くらいで、
大体いつも異臭がしたり
緩くなりすぎて美味しく
漬からなくなったり。

試行錯誤色々調べて
対策は打ってみるも、
完全復活した試しはなく、
泣く泣く廃棄していたのだ。


だけど今回は、
諦めなかった。

何故って
ワークショップで作った糠床なので
糠床が菌で保たれていることや、
糠床のトラブルの対処法などを
きちんと講義で教わっていたからだ。

今は知識なんて
ネットでいくらでも
出てくる時代だけど、
やっぱりリアルで直接、
「講義を聴く」のとでは、
全然違うことが実感ができる。

これは私も講義をする立場としても、
とても勉強になった事だ。
身の入り方が全く違う。
(講義の進め方やスライドも
参考になったし、久しぶりに
受講生の立場になるのは新鮮だ。)

そう、糠床が、
菌で保たれてるって知ってた?
いやそんなことは知っているよ。
色々調べて知ってるけどさ、
知らなかったよね。
(※ここに記載の糠床の情報は
全てうろ覚え。←講義聴いたのに。笑)

だからそのバランスを整えることで、
糠床はちゃんと復活するのだ。
そう、糠床は「生きている」から。

だから糠床を育てるように
愛を持ってかき混ぜると良いのだ。
歴代の糠床、ごめん。


このツンとした臭いの原因は、
私の糠床の場合は明らかに
水分が原因だ。

いつも漬けていくと
水分が出て糠床が緩くなっていく。
そこでキッチンペーパーで押さえ、
水分を吸い取らせていたのだけど、
結局最後はダメになる。

今回は、水分が多くなったら
糠床を寄せて角を空けて
そこに溜まった水分を
キッチンペーパーなどに
吸い込ませる方法を
教わっていたので実践してみた。

視覚で溜まった水分が見えるので、
ちょっと楽しい。

でもしばらく、
その方法を繰り返してみるも、
ツンとした臭いは消えない。

どうしたものか。

また色々調べたり、
講義の際のプリントを見返してみる。
「水分を取った場合は塩を足す」
とな。

ん?
塩足してない!

慌てて天然塩を足す。
そしてかき混ぜる。

それを毎日、繰り返す。

また水分が多くなった糠床には
昆布や干し椎茸を入れると、
余分な水分を吸い取ってくれると
教わっていたので、
昆布も入れてみる。

これは効果的面!
昆布を入れた以来、
水が溜まることがなくなった。
かなり効果があるようだ。

そこからまた、
塩を足しては
かき混ぜるを繰り返す。

数週間経っても
まだ臭いはなくならない。
もう復活はダメなのだろうか‥

諦めかけた時、ふと思い出した。

「手にある常在菌(特に乳酸菌)が
糠床の菌を活性化させるので、
愛情こめて良くかき混ぜて下さいね」

これだ!
手についている菌だよ。
この菌を、信じるのよ!

そこで、
いつもは糠床を混ぜる前に
石鹸で手を洗っていたのだけど、
水で洗い流すだけにしてみた。

すると、それを始めた途端、
次の日には、なんと臭いが
いつもの糠床に戻っていた。

いつもの糠床の臭いに、
めちゃくちゃ感動!!!!

手の常備菌が効いたのか
今までやってきた対策が
たまたまこのタイミングで
効果が出たのかは分からない。

でも見事に復活を遂げた。


今日も糠漬けを漬ける。
人参は最高に美味しい。




今日も糠漬けを食べる。
至福の時。