相手から雑に扱われたら、
それは自分が自分を
普段から雑に扱っているということ。

相手から大切にされたいと思ったら、
まず自分のことを、大切にしよう。

という。


自分が満たされたら、
相手のことも同じように
自分を大切にするのと同じくらい
大切にできるようになるし、


それはまた
巡り巡って返ってくる。






時々通る道に、
古びた商店がある。

そこの軒先で販売している
農家の朝採り野菜が
通るたびに気になっていたので、
たまたま車の通りもタイミングよく
店先には入れそうな予感の時、
車を止めた。

朝採れたばかりの野菜の
なんて瑞々しいこと。
きらきら光る呼吸に
呼ばれるよう。

その野菜の中から、
この時期いつも買う
柔らかな菜の花と、
春キャベツをひと玉、選んだ。



朝、採れたての春キャベツを
一枚、一枚、大切にはがしていく。


新鮮な葉っぱを
不用意に傷つけないように、
丁寧に、丁寧に。



まるで女性の服を、
一枚一枚
脱がせているようだ。

丁寧に、丁寧に。


脱がせた葉っぱの、
そこから現れる内側の葉が
またなんと美しいことか。


君に選ばれた者しか、君の肌は
決して触ることはできない。

高貴で美しい曲線を
優しく描く。



そう、

君の名は、
春キャベツ。





丁寧に扱ってほしかったら、
自分自身を丁寧に扱ってみる。

そして自分に接するのと同じように
他の人に対しても、
丁寧に接するようにする。

敬意を込めて。




これ、


自分自身や
他の人に対しても、だけじゃなく。

そう、人間だけじゃなくて。


春キャベツも、
野菜も、
植物も、
動物も、
自然も、


ここにある
ありとあらゆる

万物の、すべてに
敬意を込めて接すること。だ。



それは自分を大切にするということ。

それと等しい。