Guten Abend(Tag)!
先日からの予告通り「過去形」(Präteritum)について話します。
前回は、「時制」のお話をしていました。
詳しくはコチラ…
え?!未来時制はない? 意外に曖昧になっている「時制」の考え方
http://ameblo.jp/kantan-doitsugo/entry-11898835769.html
正直なことを言うと、改めて「過去形」を話するのも、ちょっと変な気分なのです。
実際、「話し言葉」だけを意識しているうちは…
・sein ⇒ war
・haben ⇒ hatte
・werden ⇒ wurde
・geben ⇒ gab
・助動詞(Modalverben) ⇒ konnte, musste, wollte, durfte usw.
が分かれば、十分なんです。
あとは、人称と数によって語尾が変化するだけです。
詳しくは…
話し言葉でも「過去形」を使う数少ない動詞
http://ameblo.jp/kantan-doitsugo/entry-11641219327.html
「話し言葉」ができればいい、と思っている人にとっては、以上終了…
という話なんです。
というのも、「話し言葉」だったら、「完了形」があれば十分ですから。
しかし、「書き言葉」、
特に読むことを意識するとなると、どうしても、「過去形」(Präteritum)を見かけることになります。
専門的な議論をする必要性のある方にとっては、「過去形」も必要な文法事項ではあります。
ただ…
そもそも、よく文章で出てくる過去形には、そのうち慣れます。
まして、書き言葉であれば、調べる時間もありますから。
例えば…
1つ古代ローマの英雄のカエサルのある戦争での戦勝報告を、
ドイツ語に訳したものを出しますね。
Ich kam, ich sah, ich siegte.
ご存知の方もいるかもしれません。ラテン語だと「Veni, vidi, vici.」ですね。
この「kam」とか「sah」とかは、よく出てきます。
え?それじゃ、単語の意味が分からない?
では、学習のため、ドイツ語の訳文をあえて完了形にします。
Ich bin gekommen,
ich habe gesehen,
ich habe gesiegt.
これは簡潔を良しとするカエサルの文体らしくないのですが、
文の学習のためと言えば、名文家も許してくれる…と信じています。
これだったら、見た覚えのある文章ですよね。
「gesiegt」は、見たことがない人もいるかもしれませんが、「siegen」という動詞です。
「勝利する」という意味合いですね。
先のW杯の時に、私が「Sieg!」とかつぶやいて(?)いたのは、この動詞の名詞形です。
完了形の文をよく見てください。
Infinitiv:「siegen」
↓
Partizip II:「gesiegt」
「siegen」については、
規則通り「ge」+「語幹」+「t」の形になっています。
さて、元のドイツ語の訳文に戻って、それぞれの動詞を見てみると…
「kam」=「kommen」の過去形
「sah」=「sehen」の過去形
「siegte」=「siegen」の過去形
そう、「Veni, vidi, vici」に対して、
ドイツ語では、「Ich kam, ich sah, ich siegte」、
日本語では、「来た、見た、勝った」という訳があてられています。
さて、なんでこんな回りくどいことをしたのかというと…
過去形の話をする時に、動詞をまず二通りに分けないといけません。
1:「Partizip II」と同様、ルール通り「過去形」を作れるもの
z.B:「siegen」「sagen」「kaufen」「wechseln」「stellen」usw.
2:「Partizip II」と同様、「不規則扱い」を受けているもの。
z.B:「kommen」「sehen」「gehen」「fahren」「stehen」
なお、「-ieren」で終わる外来語の動詞は、1の仲間とします。
ということは、2番に入る動詞は、
「Partizip II」の時にも、何度も使いながら慣れていった動詞たちです。
こんな感じで、お話しましたね。
【完了形】 「不規則動詞」どう覚えるの? 【Perfekt 3】
http://ameblo.jp/kantan-doitsugo/entry-11647874223.html
ここに、完了形をお話した際に「不規則動詞」について扱ったリンクがありますが…
http://ameblo.jp/kantan-doitsugo/entry-11649479241.html
http://ameblo.jp/kantan-doitsugo/entry-11650807155.html
http://ameblo.jp/kantan-doitsugo/entry-11652375656.html
ここに出てこない動詞については、規則通り過去形を作ればいいだけです。
その規則は後でお話します。
ただ、「不規則」と呼ばれているものについても、
覚えるしかない、と言ってしまっては身も蓋もないですが、
そんなに悲観する必要もありません。
「不規則」だと言っても、そこまででたらめな変化をする訳じゃありません。
ある程度、語幹の子音は保っていますので。
「kommen」⇒「kam」
「sehen」⇒「sah」
「fahren」⇒「fuhr」
と言った具合に語幹の子音が生きている動詞の方が多いです。
いわゆる「不規則動詞」については長くなるので、次回お話するとして…
今日は、1番について、「過去形」を作る規則をお話して終わりにします。
1:「過去形」を作るときの規則
簡単です。
「語幹」+「-te」
「siegen」 ⇒「siegte」
「sagen」 ⇒「sagte」
「kaufen」 ⇒「kaufte」
「stellen」 ⇒「stellte」
「wechseln」 ⇒「wechselte」
ここまでは、簡単ですね。
あとは、主語の人称と数によって、語尾がくっつきます。
これは、「war」や「hatte」の時にやりましたね。
しかし、規則通りの動詞であれば、すでに「-e」で終わっているので…
ich sagte△
du sagtest
er sagte△
wir sagten
ihr sagtet
sie sagten
…となります。
「wir」とか、複数の「sie」とかの場合は、「-en」ではなく、
「-n」だけくっつけば十分です。
これが、規則通りの「過去形」の作り方です。
次回(木曜予定)、「不規則動詞の過去形」について扱います。
【過去形】ほとんどの動詞が「子音は一緒」=「強く変化する動詞」【Starke Verben】
http://ameblo.jp/kantan-doitsugo/entry-11902868288.html
それでは。
Tschüss!
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