え?!未来時制はない? 意外に曖昧になっている「時制」の考え方 | Kazuのかんたんドイツ語 【文法・語法・会話】

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ドイツ語は難しい?いえいえ、実は英語よりも簡単です。挨拶・発音・数字から、ドイツ語を簡単に分かりやすく解説します。単語の増やし方、動詞・前置詞の格支配や名詞の性の学び方も解説していきます。マルチリンガルの私が、外国語一般の学習方法についても紹介します。

Guten Abend(Tag)!

先週まで、時間を表す接続詞についてお話ししました。

詳しくは、コチラ…

確認!「時間を表す接続詞」の使い分け【問題】
http://ameblo.jp/kantan-doitsugo/entry-11892155915.html
再確認!「wenn」と「als」の使い分け大丈夫ですか? 【同時性を表す接続詞】
http://ameblo.jp/kantan-doitsugo/entry-11894757082.html
時制は大丈夫?「nachdem」「bevor」「seitdem」の使い方 【時間を表す接続詞】
http://ameblo.jp/kantan-doitsugo/entry-11895743562.html


今日は、
ちょっと「時制」について詳しくお話したいと思います。

何を今更…と思われるかも知れませんが、
何かしら外国語を扱うと、
どうしても「時制」という単語に出くわします。



ドイツ語の場合は時制の原則は、至って分かりやすいです。
その原則さえ押さえておけば大丈夫な話ではあるんです。




1:現在~未来に起こることを表現
 ⇒現在形(Präsens)


ドイツ語の現在形(Präsens)の場合、

・常習的にしていること
・現在の状態
・今現在していること

を表現することができるだけでなく。

未来のことも表現できます。

例えば…
Übermorgen fährt Sakura nach Wien.

は、現在形(Präsens)ですが、未来のことを言っていますよね。



2:過去の時点で起こったことを表現:
 ⇒(現在)完了形(Perfekt)過去形(Präteritum)


過去のことを表す時には、
話し言葉では、(現在)完了形(Perfekt)
書き言葉では、過去形(Präteritum)

を使うのが一般的ですよね。

Ich bin schon in München gewesen. (Perfekt)
Ich war schon in München. (Präteritum)


この場合は、動詞が「sein」なので、話し言葉でも両方使いますね。



問題になるとしたら、
3:主文の時点よりも、
副文の時点が前の場合は、「副文の時制が1個戻る」


これはちょうど前回やった話です。
http://ameblo.jp/kantan-doitsugo/entry-11895743562.html


seitdem」「nachdem」あたりには適用されるルールですが、
別にそれに限らず、例えば関係代名詞でも注意が必要ですね。


具体的には…
主文:現在形 ⇒ 副文:過去形・(現在)完了形

Der ICE, der gerade angekommen ist, fährt 5 Minuten später ab.


主文:過去形・(現在)完了形 ⇒ 副文:過去完了形

Der Nachtzug, den ich gebucht hatte, ist schon abgefahren.

という形になります。



ただし…
「間接話法」については、別で整理して話す必要があります。

「疑問詞/dass/ob」+「直説法」を使う場合に限定すれば、こちらで説明は十分できます。

【解答】 ドイツ語には「時制の一致」はありません 【間接話法】
http://ameblo.jp/kantan-doitsugo/entry-11766506598.html


そして、この「3点+間接話法」のルールが分かっていれば、
「時制」で困ることはほとんどないはずです。

以上、終了…。



でもいいのですが…
これから、時制について厳密な話をします。


厳密な言い方をすると、
ドイツ語に存在している時制は、
「過去(Präteritum)」と「現在(Präsens)」だけです。


いえ、もっと踏み込んでいうと、
ゲルマン系の言語では、「過去時制」と「現在時制」しかありません。

ただ、
ドイツ語の意識では、
「完了形」というのは、その時制より前に起こったことを表現する
ので…

「現在形のhaben/sein」+「Partizip II」⇒ 過去の時点

「過去形のhaben/sein」+「Partizip II」⇒ 主文(過去)より前の時点


を表現することができるのです。


ただ…
時制という単語を厳密に使った場合、動詞の形が変わらないとおかしいのです。

文法を理論づける中で、
動詞の形の変わる時間軸の範囲を時制と呼んでいるのです。


「過去なのか、そうでないのか?」というのが、形が変わる判断基準なんです。
だから、「bevor」の副文の時制は、主文と一緒だったんです。


それに、ドイツ語にしても英語にしても、「未来形」というのがありますが…
あれにしても、時制で言えば現在なのです。

思い出してください。

ドイツ語の「未来形」だと…
http://ameblo.jp/kantan-doitsugo/entry-11587885480.html

「werden」が「現在形」の変化をしているだけで、
過去形でも何でもない、突拍子もない形をしていませんよね。


でも指している時間軸は未来のはずです。

「未来時制」がもし仮にある言語であれば、
「現在形」や「過去形」とは別の動詞の形がある…という意味なのです。



時間軸以外にも、動詞の活用が変わる要素があって、

それが…
・主語の人称と数
・現実(直説法)なのか、頭の中(接続法)なのか、誰かに命じる(命令法)のか

という話になってくるのです。

こういった要素が絡まって、動詞が変化していて、
その活用する動詞のことを「定動詞」と呼んでいる訳なのです。
こちらも合わせて読まれると、非常に分かりやすいと思います。

「zu不定詞」って、一体何ですか?
http://ameblo.jp/kantan-doitsugo/entry-11800118335.html

色々細かい文法用語が出てきたので、ちょっとややこしかったかもしれません。
後半部分の意味がいまいち分からなくても大丈夫です。
実際にどう使うのか、分かっていれば問題ない話ですし、その方が重要です。


では、今日は以上です。

次回から…「過去形」について再度扱います。


Tschüss!



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