前回は、ドイツ語らしい発音ということで、
Volkswagen
の発音をやってもらいました。
正しい発音についてはこちらをご覧ください。
ドイツ語の発音 子音(Konsonant)編 2 ヴォルクスワーゲンと呼ばないで
http://ameblo.jp/kantan-doitsugo/entry-11515917030.html
それでは今回ですが、
子音字2つ以上でドイツ語特有の発音をするモノについて紹介します。
大まかに3通りに分けてお話します。
1:"s"が絡むもの
2:"ch"が絡むもの
3:その他注意するもの
それでは早速始めます。
1:"s"が絡むもの
i) "ss""ß"=[s](サ行音)
…この「β」(ベータ)*1みたいなもの何?という質問が出てきそうですが、
この"ß"のことをエスツェットと言います。
この"ß"、昔の活版印刷だと、本当に"sz"のつづりだったんです。
そんな史料を私はよく読んでいました。
ただ、音としては"ss"と変わらず、サ行音になります。
ただ、"ss"と"ß"はちゃんと使い分けがあります。
"ss" küssen[キュセン] Messer[メサー]
"ß" gießen[ギーセン] Fuß[フース]
要は、
"ss"の前は、伸ばさずに短母音で発音しなさいということです。
"ß"の前が、母音字2つの時はその発音を、
母音字1つの時は伸ばしなさい(長母音)ということです。
ii) "sch"=[ʃ](シャ行音)
schlafen[シュラーフェン] Fisch[フィシュ]
これもドイツ語らしい発音です。
後でやりますが、"tsch"は別の音になるのでご注意を。
iii) 語頭の"sp""st"=[ʃp](シュプ) [ʃt](シュト)
spielen[シュピーレン] Stein[シュタイン]
語頭の"sp""st"については、"sch"でなくても[シュ]の音になります。
だから、
"best"のように、"st"が語中・語尾にまぎれている時は、[スト]という発音になります。
iv) "tsch"=[tʃ](チャ行音)
Deutsch [ドイチュ] Tschüs![チュース]
…これは、すぐに慣れます。
"t"+"sch"の音ですから、自然と[チュ]の音になるはずです。
ここまで、"s"のからむ子音字群をやりました。
察しの良い方は気付いたと思いますが、
外来語・固有名詞を除いて、単語の最初の音が「サ行音」になることはありません。
2:"ch"が絡むもの
"sch""tsch"はすでにやったので、
ここでやるのは、"ch"と"chs"になります。
i) "ch"=<要注意>
これもドイツ語っぽい発音ですね。
ただし、"ch"の前が、a) "a","u","o","au"の時と、b) それ以外の時で、
ちょっと発音が違います。
a) "a","u","o","au"の時
この音は、母音とセットでないと、上手く表現できないんですね。
四の五の言わずに例を出しましょうか。
Bach [バハ]
Buch [ブフ]
doch [ドホ]
auch [アォホ]
で、後ろの[ハ][フ][ホ]ですが、
その前の[ア][ウ][オ]の口のまま、喉の奥から勢いよく息だけを出すようにしてください。
喉の奥から出てくるような[ハ][フ][ホ]が出てくると思います。
b) それ以外の時
音の出し方としては、
静かにして欲しいときの「シー」の口の状態で、喉の奥から息を強く出してみてください。
喉の奥から出てくる[ヒ]に近い音が出てくると思います。
実際に発音してみましょう。
ich[イヒ]
Milch[ミルヒ]
München[ミュンヒェン]
最初のうちは、喉の奥に無駄な力が入ってしんどいと思いますが、そのうち慣れます。
アクセントはないので、力の抜き加減もそのうち分かってきます。
ちなみに…"ch"のつづりではないのですが、
語尾の"-ig"のつづりについても、この喉の奥からの[ヒ]の発音をします。
例えば、
wichtig
richtig
この下線部の"ch"と"ig"は同じ、喉の奥から出る[ヒ]の発音になります
ただし、
"richtige"といったように、後に"e"がくっついた瞬間に、[リヒティゲ]と発音が変わります。
(まあ、形容詞の変化については後ほどじっくりやりますので)
ii) "chs"=[ks](クス)と発音する。
Fuchs[フクス] wechseln[ヴェクセルン]
さっきの"ch"に比べれば、格段に楽です。
"chs"="x"=[ks](クス)の発音だと覚えておけばいいです。
3:その他注意するもの
と言っても、3つくらいです。
i) "ck" =[k](カ行音)
Ecke [エケ] lecker [レカー]
これは、英語習ったことのある人だったら、
感覚的に分かると思うので、そんなに問題ないでしょう。
ii) "tz""ts""ds"=[ts](ツ)
Platz [プラツ] nachts [ナハツ] abends [アーベンツ]
"ds"がちょっと慣れが必要かもしれません。
でも、語尾の子音"d"は[t](ツ)になるので、そんな無茶なつづりでもないでしょう。
iii) "pf" = <要注意> [pf](プフ)ですが…
これで最後です。
念のため言います。"pufu"ではないです。
子音だけで、これを発音しないといけないので、慣れが必要です。
(私も昔何度も修正された音です。)
実際に例を出してやってみましょう。
Pfalz
"f"の口はできますか?音を出す前に口を止めてください。
例えば、頭の"P"を落とした、下の単語なら発音はできると思います。
Falz [ファルツ]
まず1回実際に発音をしてみて、2回目は、発音をする前に口を止めてください。
その"f"の口の状態から、上唇を軽く閉じた状態が発音前の状態になります。
そこから息を吹き出すと[p]の音が出るので、間髪をいれずに"Falz"と発音してください。
この子音は、練習が必要なので、あと4つくらい例を置いておくので、
練習しておいてくださいね。
Kopf Apfel Pflanze Pfeffer
最後の"Pfeffer"が一番発音が難しいと思います。
できるようになったら、とりあえず発音はバッチリです。
これにて、ドイツ語の発音は、一旦終了します。
ここまでできるようになったら、とりあえず発音で困ることはないと思います。
発音の復習のために、ちょっと面白い企画を考えています。
それは、準備できたら公表します。
あとは、長い単語を使うようになったりとか、外来語が必要そうになってきたら、
不定期で発音についての記事を書きます。
お待たせしました。
準備運動が長くなりましたが、次くらいから、
ドイツ語を使う練習を始めたいと思います。
それでは。
Tschüs!
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