唐津 洋々閣 | ---My life with K--- 高浜寛 公式ブログ

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2匹猫とアンティーク、田舎暮らし、時々漫画家。

先日はまた取材で唐津へ。今回は色々と地元の伝承を調べるのが目的でしたので、虹の松原すぐそばの洋々閣という宿を訪ね、

女将さんにお話を伺う事に。こちらの女将、大河内はるみさんという方なのですが、地域の歴史や見聞きなさった事などをブログにまとめてらっしゃっていて、とても面白いのです。

私の突拍子もない質問一つ一つに対して、熱心に調べてくださったり、ご存知の方を紹介して頂いたりと、とても良くして頂きました。

こちらの洋々閣さん、お宿も細かな所まで心配りが素晴らしく、家具などの配置や配色も本当に自然で組み合わせが美しく、うっとりしてしまいます。お料理も一つ一つが繊細で、不思議な素材や食感の組み合わせも楽しくマッチしていて(こういう味のレイヤーって脳の楽しみですよね)、思い出に残る一日でした。

私は、宿の個性はやはりオーナーの人となりを表すと思います。その方の好奇心や、気配りや、教養や、優しさなど、そういう物が宿泊する者にも伝わるものだと思っていて、そういった意味で、とても居心地のいい宿だなと感じました。中には素敵な宿でも凝りすぎて落ち着かなかったり、美しくサービスも良いけれども無個性な宿もありますが、私はやはり個性がある宿の方が好きで、そこがちょうど良い匙加減というか。さすが。



また、女将さんのご主人で会長さんの明彦さんに唐津焼のお話を伺う事もできました。こちらでは隆太窯の中里隆さんの作品を沢山見せて頂き、これもまた感動。私は焼物は全く疎く知識もないのですが、見るのは大好きで、素晴らしい物は素人でも分かります。特に最近古い唐津焼を取材で沢山見ていたので、新しいものの多くはなんとなく物足りなく感じていて、そこへ来て中里さんの作品を見たらビビッと来てしまいました。

会長さんの素晴らしいご自宅にお邪魔して記念写真。マオカラーの上下もお洒落です。


そして嬉しいことに、会長さんの選りすぐりコレクションを二点、譲っていただいたんですよ。
↓この片口と、下の向付5枚セット。
この肌の青と鉄色。素晴らしい。中里さんの器は無造作に作られているようでいて、片口も急須も決して後引きしないそうです。実際この作品も全くしません。そんな作品を、あっという間に作ってしまわれるそう。非常に高い技術だと思います。

このタッチ。いい。。。

こういった名品を、コレクターの方の説明や思い入れを伺いながら見せて頂くというのは、本当になんとも幸せなことです。知識も少し増えて嬉しいし。

洋々閣さんはゆったりした作りで密になりにくく、ソーシャルディスタンスもしっかり取れるので、コロナが少し落ち着いたら皆さんもぜひ行ってみてください。