エンディングノートの効用 | 愛知県岡崎市の行政書士 伊東毅(たかし)

愛知県岡崎市の行政書士 伊東毅(たかし)

毎日、人の話をじっくり聴くことを心掛けています。


みなさん、こんにちは。

愛知県 岡崎市の行政書士 伊東毅(たかし)です。

 先日、知り合いの行政書士の先生のエンディングノートセミナーを受講させていただきました。

 遺言書については、日々研究を重ねてきておりますが、エンディングノートについては、まだまだ研究が足りないと思っていたところでしたので、セミナーの内容は、自分にとってとても有意義なものとなりました。特に参考になった点について以下、箇条書きにしてみます。


●財産の分け前の理由を書いておく
 エンディングノートに書かれた内容は、遺言書のように法的拘束力は無いけれども、財産の分け前を書いておくことはできる。
 例えば、家族構成が、母・長男(兄)・長女(妹)の場合、母親が、自分の財産500万円をについて、長男に5分の2(200万円)、長女に5分の3(300万円)とだけ書いた場合、どうなるか解説して下さいました。(法定相続分と異なるケース)
 長男としては、「なんで妹の方が多いのだ!」ともめる可能性があるし、長女としても「お兄さんよりも多く財産をもらうのどうか...」と遠慮しまう可能性もあるようです。そうならないためにも、なぜそのような配分にしたのか「理由」を書いておくと良いそうです。

●財産のピックアップ
 プラスの財産である「資産」だけでなく、マイナスの財産すなわち、「借入金」や「保証人」などもあれば、書いておくことが大切のようです(相続放棄するかしないかの重要な判断基準となるため)

●葬儀についての連絡先
 自分が亡くなったときに、「知らせて欲しい人」の名前を書いておく。逆に「知せて欲しくない人」がいれば、その名前もを書いておく。
 名前だけでなく、会社名や所属団体名などあれば、それも書いておくと、連絡する人にとってわかりやすくなるようです。

●ノートの存在を伝えておく
 公正証書遺言であれば、公証役場で保管されるため、紛失したり、隠匿されるおそれはないのですが、エンディングノートは、その存在さえも遺族に知られない可能性もある。そこで、エンディングノートの存在を伝えておくことが重要だそうです。

●随時、修正・加筆していく
 エンディングノートは、すぐに完成させなければならないものではない。書きやすい項目から書いていき、徐々に書き足しながら完成させていくもの。後日、読み返してみて、気持ちの変化があれな、修正することもできる。


 このセミナーを聴いた後で、自分自身もエンデディングノートを実際に書いてみようと思いました。パラパラめくってみると、「介護・看病についての希望」「後見人についての希望」「病気の告知」「献体の希望」「葬儀のスタイル」「納骨についての希望」「法要についての希望」など想像以上に多くの項目があります。
 これらのことを書くためには、自分が老いて、死に至る場面を想像してみなければなりません。これは、決して簡単なことではありませんが、老いや死は、いずれやって来ることです。いざ書いてみようと思いましたが、なかなか筆が進みません。

 しかし、自分の老いや死を見つめてみると、「今、自分が何をすべきなのか」ということが、強く意識されました。「今やりかけのこと」や「近いうちにやっておきたいこと」などがいろいろと頭に浮かび、まずそれらを実施しておこうと思うようになりました。
 エンディングノートを書こうとすることで、「今」という時間を大切にできるようになるという効果があるということは、新しい発見です。エンディングノートは、書店で購入したり、インターネットのサイトでダウンロードできたりします。みなさんも、一度書いてみてはいかがでしょうか?