白磁の人 | かんしょうじのブログ

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お寺での、日々の生活について綴っていきます

少し前ですが、映画「白磁の人 」を 観てきました。

 

100年ほど前、日本が併合中の朝鮮で、

植林事業に携わった日本人と、

朝鮮人スタッフとの交流が、描かれ、


二人のストーリーを基軸に、

白磁の、美術的価値の発見物語、

あの時代的背景などが、ふんだんに盛り込まれた、

壮大な作品でした。 

 


歴史上にも、私の知らない、立派な人々が、

本当にたくさんいるんだと、改めて思いました。

  

そして20年ほど前、北京でお世話になった方のことを

想い出しました。


  

その方は、戦前、満鉄の映画製作の仕事で、

中国の東北地方に渡り、


戦後も、日本に帰国することなく、

北京にとどまり、かの地で、生涯を終えられました。

 

当時、お住まいだったのは、

外国人が居住する、友誼賓館でした。

 

そこには、彼と同じように、


第二次世界大戦以前に、なんらかの形で中国に入り、

戦後の、国共内戦や、あの文化大革命中も、

 

中国にとどまり続けた、

欧州を中心とする、様々な国の方が、住んでおられました。

 

そして、激動の、戦後史の中で、

ときには旧敵国の、あるいは、

戦後に、対立することになってしまった国の民を、


どんな内戦、動乱中も、


命を奪うどころか、


守り続けた、かの地の人々の、


懐の広さを、感じずには、いられませんでした。

 


人と人、

個と個なら、

きっと分かり合える・・・

 

そんな想いを、改めて感じた、作品でした。