平起こり七言絶句の平仄式
○○●●●○◎
●●○○●●◎
●●○○○●●
○○●●●○◎
仄起こり七言絶句の平仄式
●●○○●●◎
○○●●●○◎
○○●●○○●
●●○○●●◎
漢詩の構成は文字の種類、すなわちその文字が平字なのか、仄字なのかによって、組み立て方が異なるのです。
もともと平仄というものは文字の発音により分けられているもので、変化のない平らかな発音文字を平字とし、アクセントに変化のある発音文字を仄字といいます。
漢詩は平字と仄字をうまく配列することで、声を出して詩を読んだ時に美しい情緒を醸し出すのです。
と、ここまではものの本などからの受け売りですが、日本で漢詩を作る場合は直接は関係ないといえるでしょう。
ただ、中国語として発音した場合におかしなことにならないように、やはり中国で決められた規則を守る子田は大事なことと思います。
漢詩は平字と仄字の組み合わせといいましたが、正しくは平字を含んだ熟語、仄字を含んだ熟語と言い換えることができます。
熟語そのものは2字のものが大半ですが、さらに突き詰めると2字の熟語の終わりの文字の平仄が重要なのです。
詩を構成する文字配列は、詩語という熟語をつなぎ合わせることで成立します。
そのことを分かりやすくするために平字を○、仄字を●で表してみると、例えば平起こり七言絶句の起句では次のようになります。
・平平・仄仄・仄平平⇒○○・●●・●○○
この配列は最初から2・2・3という構成に分けられますから、その単位で考える訳です。
すなわち、平字の詩語は○○、仄字の詩語は●●となります。
しかも詩語の終わりの文字(後の方の文字方の文字)の平仄で論じられますから、逆にいうと始めの文字(前の方の文字)の平仄はどうでもいいということになりますね。
どちらでもよいという平仄を仮に△▲で表すと、先ほどの起句はどう変化するでしょうか。
平起こり七言絶句の起句を再考してみましょう。
○○・●●・●○○⇒△○・▲●・●○○
このように三角記号が入ることで、漢詩を作る場合の制約がかなり緩和されることが分かります。
さらに起句の末尾の文字、すなわち7字目は平字ですが、押韻といって決められた韻目(文字群のグループ)の中から選ぶことが求められるのです。記号は◎を用います。
押韻は韻を踏むともいわれ、起句、承句。結句の末尾(7字目)に同韻目から選ばれるのです。ここの部分が足かせとなってくることも多いですね。
1,2,4行目の末尾には押韻しますが、3行目の転句は押韻しません。しかも、ここは仄字をもってきて変化を持たせているのです。