七言絶句「春懐」:春の兆しを漢詩で綴りました | やさしい漢詩の作り方! 初歩から理解できる絶句の秘策(知古庵)

やさしい漢詩の作り方! 初歩から理解できる絶句の秘策(知古庵)

自分には関係ないと思っていた漢詩創作の道!難しいと思われていた漢詩も、そのルールや手順を守ることで誰にでも作ることができるのです。知古呂改め知古庵が発信するやり方を知れば、自分の潜在的な才能が刺激され、簡潔で感動的な作品が作れます。

 

読み方

 

   しゅんかい

 

せいこうびだん そうばいあらたなり

 

いっぺんのじょうかい じざいのひと

 

さんけいやふう かんしょくさり

 

ほうしんうごかんとほっして すでにはるをしょうず

 

 

平起こり七言絶句の平仄と押韻

 

この詩の韻目は上平声十一真です。韻目というのは一句、二句および

 

四句の末尾に押韻知る際の韻のグループのことをいいます。ここでは

 

上平声十五に分けられた韻目のうち、十一番目の「真」という韻目に属

 

する文字を使わなくてはならないのです。

 

韻目十一真に属する韻字は、真・因・辛・辰・人・神・申・浜・倫・銀・布・

 

振・塵・春・巡……など、たくさんあるのです。

 

その韻目から「新、人、春」の文字を用いて韻を踏んでいます。

 

この漢詩の平仄は次のとおりです。

 

○は平字、●は仄字、◎は平字のうち押韻するところです。

 

○○○●●○◎

 

●●○○●●◎

 

○●●○○●●

 

○○●●●○◎

 

要約

 

  「春に思うこと」

 

雨後の晴れ間、かすかに虹も見えます。わずかの暖かさの中で早くも

 

梅の花が顔を出し始めました。このような感情が起こるのも自由人な

 

らばこそでしょうね。山や野原もようやく冬の厳しさが去ったようです。

 

自然界の野草も新芽を出しつつあり、春が来たことを告げているので

 

す。

 

単語の意味

 

晴虹=晴れ間の虹、自在=自由の身、芳心=新芽