七言絶句 「城山」 西 道仙
孤軍奮闘破囲還(こぐんふんとう かこみをやぶってかえる)
一百里程塁壁間(いっぴゃくのりてい るいへきのあいだ)
吾剣既折吾馬斃(わがけんはすでにおれ わがうまはたおる)
秋風埋骨故郷山(しゅうふうほねをうずむ こきょうのやま)
(訳)
孤立して闘った我が軍は、漸く血路をひらき鹿児島まで辿り着いた。
幾山河を越えて城山まで帰還したのだった。しかし、すでに剣は折
れ、馬も斃れてしまった。もはや我が志も尽き、これまでと覚悟はでき
ている。秋風吹きすさぶ故郷で最期を迎えようと思う。
この詩は西郷南洲の心情を忖度して、西道仙が作ったものです。
この詩の押韻と平仄について次回に検証していきます。