西郷南洲の心を詠った西道仙の漢詩「城山」を検証(2) | やさしい漢詩の作り方! 初歩から理解できる絶句の秘策(知古庵)

やさしい漢詩の作り方! 初歩から理解できる絶句の秘策(知古庵)

自分には関係ないと思っていた漢詩創作の道!難しいと思われていた漢詩も、そのルールや手順を守ることで誰にでも作ることができるのです。知古呂改め知古庵が発信するやり方を知れば、自分の潜在的な才能が刺激され、簡潔で感動的な作品が作れます。

  七言絶句 「城山」  西 道仙

 

孤軍奮闘破囲還(こぐんふんとう かこみをやぶってかえる)

 

一百里程塁壁間(いっぴゃくのりてい るいへきのあいだ)

 

吾剣既折吾馬斃(わがけんはすでにおれ わがうまはたおる)

 

秋風埋骨故郷山(しゅうふうほねをうずむ こきょうのやま)

 

 

(訳)

孤立して闘った我が軍は、漸く血路をひらき鹿児島まで辿り着いた。

 

幾山河を越えて城山まで帰還したのだった。しかし、すでに剣は折

 

れ、馬も斃れてしまった。もはや我が志も尽き、これまでと覚悟はでき

 

ている。秋風吹きすさぶ故郷で最期を迎えようと思う。

 

 

この詩は西郷南洲の心情を忖度して、西道仙が作ったものです。

 

この詩の押韻と平仄について次回に検証していきます。