◆◆ 『勝つ』を凌駕するもの


先日、甲子園で優勝を果たした常葉学園菊川の森下監督がバントを使わない打撃一辺倒のスタイルについて下記の通り語っていました。(引用は中日新聞からです)

『負けていても、ベンチの中が必ず何とかするという雰囲気になっていた。選手を信じていた。』

『野球で最も楽しいのは打撃。バントは成功して当たり前と思われるが本当は難しい。選手が好きな打撃を存分にやらせる』

『監督ができることは選手をリラックスさせて力を出させること』という済美の監督さんの言葉に共感した

『自分の役目は選手が伸びていく方向に、後ろから押してやること』

バントは『成長するスピードを阻む』


楽しいサッカーで一世を風靡した野洲高校を思い出したのは私だけでしょうか?同友会理念でいう、自主=人間らしく生きる、に始まる人間尊重の経営に通じるものがあります。『楽しい』が『勝つ』に勝つのは素晴らしいことです。


◆◆ 一方で

元中日ドラゴンズの高木守道さんが岐阜勢として活躍した大垣日大をたたえる一方で敗因について、『これが決勝。守りのチームにミスが出た。甲子園での敗北は、守りが崩れた時』と分析し力を発揮できなかったことを指摘するとともに、『何より阪口慶三監督に笑みがなかった。優勝はいかに難しいかということ』と指摘していました。

「勝つ」ことを目的としてしまったチームは、「楽しむ」ことを目的とし、そのプロセスとして「勝つ」ことを重視したチームに一歩及ばなかったようです。スポーツを始める理由は勝つためではなく、楽しむためですよね。初心をいつでも思い出す場づくりが必要です。

この決勝の日、両チームが見事の正反対の状態にあったようです。
『状態』『雰囲気』『風土』
最高のものを提供するのがリーダーの仕事です。
良いことを学びました。