クレヨンしんちゃんが連載30周年ということで、インターネット記事を見つけました。

https://news.yahoo.co.jp/articles/4e511be70bc68cdcd04d1bdd77fa7233c9de78ca

ご存知クレヨンしんちゃんは今でこそ国民的アニメの一つになったと思いますが、テレビ放送初期のころはPTAの「子供に見せたくない」番組の1位を獲得するようなアニメでした。

PTAがそのような意見を出すことに何か意味があるのか、そもそもそんな権利があるのかというのは置いておきますが、とても今では放映できない内容が多かったのも事実です。


クレヨンしんちゃんはそもそもどんな漫画か?

私が小学生のときに始まったテレビアニメですが、元々は大人向け漫画雑誌で連載されていた4コマが原作になります。

大きな流れとしては、

①ある大人が何かしようと企んでいる。
②そこにしんのすけがやってきて、色々とちょっかいを出したり、答えにくい質問をしたりする。
③その質問は大人が説明できない、又は説明したとしてもそれが自分の評価を落としてしまう言いにくいことであり、大人がひるむ。
④最後は大人がキレてしんのすけに向きになって反論するが、それを周りに聞かれて恥をかかされる。


というストーリーです。

ここで出てくる「大人」は、世間体や見栄ばかりを気にする人物や、作っている周りのイメージと実態に著しい落差がある人物であることが多いです。(今のアニメに出てくるキャラクターでは、一番近いのは、個人的にはまつざか先生です)

そういう大人の痛いところをつく、かなりの風刺が効いた漫画が原作なので、世間体の上に成り立つようなPTAから嫌われるのはある意味当然だと思います。


しんのすけは正しい

しかしながら、実はしんちゃんが言っていることは大体において正しく、それに対して大人が怒る反応をするということは、大人にとって痛いところを突かれているという証左でもあると思います。

しんちゃんというと、「ケツだけ星人」とか親を下の名前で呼ぶ、というあたりがクローズアップされて目の敵にされますが、このような点は表面的なところだと思います。


例えばしんのすけが母ちゃんに対して、


「はぁ、今晩のおかずも手抜きか。やれやれ。」
 

というセリフを言うことがありますが、実はこれは「みさえ」がいないところで「ひろし」が言っていたセリフであったり、専業主婦の母ちゃんにしても昼はごろ寝してテレビを見て時間が無くなったから夕飯が手抜きになってしまった、というような背景があります。

それに対して母ちゃんは怒ってげんこつしますが、実は本当に怒る権利があるのかは怪しいところでしょう。

自分の行いに恥ずかしくなって、話をそらすためにげんこつという手段を使ったとも言えるかもしれません。


自分の会社に「のはらしんのすけ」はいるか?

このように、見栄、体裁、虚栄心、同調圧力、面従腹背、嫉妬、誹謗中傷、諸々の負の感情が渦巻く世の中に、子供の純粋な視点でかつ直接的に意見を投げかけるのがしんのすけです。

監査役視点で考えると、こういう人が会社にいて面と向かって批判の声を上げると、表向き会社の和を乱します。

「○○部長にそんなこと言うもんじゃない。」

という周りの声が聞こえてきそうです。

しかし、会社は互助会ではなく合理的に利益を追求する団体です。
社内から上がる批判に対してきちんと理論的に説明できないのに案件を進めようとすることこそ、「そんなことやるもんじゃない」ものだと思います。


会社の発展は健全な批判の先にあるものだと思いますので、会社の中にしんのすけのような人が一人もおらず、イエスマンや同調者ばかりになってしまうと危機的と言えるのではないでしょうか?


まとめ
・クレヨンしんちゃんは、実は大人の表面的世界に対する痛烈な風刺漫画。
・実は、しんちゃんの言っていることは正当であることが多い。
・会社にもしんちゃんのような健全な批判ができる人間がいないと危うい。