マンション投資は本当に大丈夫なのか?
こんにちは。
ファイナンシャルプランナーの 山下 修一
です。
"将来の年金代わりに・・"と言って、定期的に家賃収入が得られる
マンション投資の新聞広告やTVCMをよく目にします。
ターゲットは30代~40代のサラリーマン層が主のようですが、
投資した人全てが上手く行っているとは限りません。
業者セミナーへの参加から、マンション投資を始めてみたものの
後からジワジワ不安が芽生えてきたり、大きな後悔の念を持って
ご相談に来られる人が現実的にいらっしゃいます。
株式・債券・投資信託等の金融商品と同じ感覚でいると、
思わぬ含み損を抱え込んでしまうかもしれません。
利回りは○%! といくら謡っていてもあくまでも
『現時点での数字』
ですから、何年間で捉えると利回りが変わってくることを
考慮して見ていく必要があります。
マンション投資が本当に成り立つのか?
を考えるときに重要なのが、表面的な賃料収入で見るのでなく、
実際に得られる金額が一体いくらなのか?
得られる確実性は?
等を確認してみることです。
そのため収支項目やリスクを棚卸ししてみましょう。
1.支出(取得時)
□取得するための経費
□自己資金部分
2.収入(毎月)
□入居者からの賃料 ※
3.支出(毎月)
□管理費 ※
□修繕積立金 ※
□賃貸管理委託料(賃料の数%) ※
□固定資産税・都市計画税の月割 ※
□その他会費
□火災保険料の月割 ※
□地震保険料の月割 ※
□投資物件用ローン返済(変動金利が主流)※
4.支出(入居者入れ替わり時)
□クリーニング代 ※
□大小リフォーム代 ※
□入居者募集費用 ※
5.収入(売却時)
□買い手から売却額(経過下落率考慮) ※
6.支出(売却時)
□売却するときの経費 ※
□投資物件用ローン残債 ※
※・・・将来上下変動する可能性が有る項目です
上記を持って出口(=最終リターン)を見るならば、
(2×投資月数)+5
に対して、
1+(3×投資月数)+(4×入れ替わり回数)+6
を引いた概算での試算結果を確認してみてください。
どれぐらいプラスになりますか?
それともマイナスになりますか?
将来は判らないから・・・と思わず、
仮説で何通りかシナリオを持って試算してみてましょう。
ようやくマンション投資の全体像が把握できます。
さらに詳細に行う場合には時系列的な変動も加味しておきましょう。
最も難しいのは2に関する係数「空室リスク」です。
ターゲット層からの賃料相場が妥当かどうかの他、馴染みやすい街並みかどうか、
あとは交通の便だけでなく、地域の人口増減と世帯構成、周辺に立地する企業・商業施設・学校の将来像(信用力)も見ておくこと、それらを検証把握すべく、自分の足で何回も昼夜曜日を変えて現地を回ってみることをお勧めしたいと思います。
後から同じような投資物件が乱立することも当然考えられるでしょう。
「競争相手が増えても、それほど揺るぎそうもない優位性」
を何個見つけられるのかもポイントです。
なんといってもマンション投資は高額での決断を伴います。
業者から聞く情報を絶対とは捉えず(売るがために偏っているかも・・・)、
冷静に考えてもらえる友人・知人、もしくは第三者的な専門家の意見を
一度は聞いていただくほうが良いと思います。