二つの顔と言っても、多重人格のようなお話ではありません。発達障害があると、いろいろな問題が起きている現実があります。就労先でのトラブル、家族との感情のもつれ、友人や恋人配偶者と上手くやっていけないことがあります。しかし、その根本人格には、定型発達の人にはまねの出来ないような、純粋で心やさしい側面もあると感じます。今日はそんなところを記事にしてみます。
ひと言で発達障害と言っても、
多種多様なことは言うまでもありません。
性格や人格は、障害にしばられるわけもなく、
明るく社交的な人もいれば、
内向的な方もいらっしゃいます。
また、何とか就労したり、
ボランティアに参加したりして、
活発に活動されている人と、
家に引きこもっていたり、
家族に依存してしまっていたりという人もいて、
障害の現れ方も多面的です。
ひと言で言えば、二次障害が重いか軽いか、なのでしょうね。
障害の軽重よりも、こちらの方が
運命の分かれ道じゃないかと感じます。
子どもの頃に、その人自身の人格が周囲に受け入れられ、
多少、特徴的で個性的であっても、
そんなことよりも、根本人格を評価された方は、
重篤な状況には陥らずに、やっておられます。
半面、二次障害を、重い精神疾病にまで至らしめた方々は、
その回復に5年、10年というサイクルを
要してしまっているようです。
ただ、こうした両極端は全く違う人から生まれたかというと、
僕はそうは思いません。
活動的にされている当事者さんでも、
ひとたび精神安定を失えば、
数ヶ月サイクルで身動きが取れないような状況に陥るし、
しばらくはしんどそうで、声も掛けづらいということになるのです。
つまり、発達障害を持っている方は、
このどちらにもなってしまう可能性があったのだと思います。
その差は、子どもの頃からの周囲の関わりと、
本人の意識的な行動で、対人関係をどう切り開いてきたのか。
つまり、家族や支援者と、本人の努力の両方で、
これほど、極端な差として表れているのだと感じます。
あとひとつ、重篤な精神疾病にまで発展しているケースでは、
関わった医師の診断が適切であったかも重要な要素です。
発達障害を見抜けずに、うつ病やパニック障害、強迫性障害、あるいは統合失調症と誤診され、きつい薬を飲むことになった当事者さんは、ひどい精神混乱と家族とのトラブルを起こし、抱えきれないような混沌の中で、闇に沈んでむまでになっているケースもあります。
【非常に魅力的な基本気質】
ただ、僕はこうした両者の方と出会いがありましたが、
そのいずれにも、根本的な人格には魅力を感じます。
非常に純粋で、正直で、心優しい側面があるのです。
障害特性から、要領をつかったり、
嘘も方便のようなことは苦手なこともあります。
でも、それだけではなく、
基本気質には、心優しい人柄が存在するのです。
でも、そのココロはきっと傷つきやすく、
また嫌なことを中々忘れることが出来ない。
そして、共感性が乏しいと、
中々集団になじめないことから、
自己不信から他者不信と進んでいき、
元来持っている人柄が、包み隠されてしまい、
ふさぎこんで自閉的な陰な面ばかりが表に出てしまっている
・・・・・そんなことに陥っている人も、確かに少なくありません。
でも、こうした方々は、
結局は、障害特性の部分が、
周囲とのトラブルになるところで、
元来の性格が活かせていない
・・・・・僕はそう感じています。
どんなに活動的な方でも、
精神的に不安定になると、
やはり障害特性は顕著になります。
また、内向的になってしまっていた人でも、
周囲の環境が変わることで、
元来の人柄が、素直に表に表れるようになり、
本体の自分を取り戻していかれる方もいます。
すべては、精神安定を取り戻すこと。
そしてそのための環境調整をすること。
薬も時には必要でしょうが、発達障害者の場合、
それはあくまで、補助的な役割にした方がよさそうです。
環境を整え、苦手を排除し、得意を伸ばす。
そんな中で、精神混乱を招かないノウハウを見つけていくこと。
それが、発達障害の人生展望ではないかと、
僕は思っているのです。
多くの当事者さんに関わらせていただいて、
そんな中から学んだことがこれなのです。
その先に、希望はあると、僕は感じています。
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