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特別支援教育部門 第2位

発達障害部門 第8位


福祉ネットワークの「大人の発達障害 シリーズ」第2話を見ました。この回は、有名な人ではなく、等身大の当事者さん達が取り上げられていました。そして、そこに長い未診断の時期を苦しむ姿と、またその後、診断されても続く苦しみが取り上げられていました。今日はそんなお話です。


【就職が叶わず、苦しむ当事者さんの現実】

番組では20代の女性が取り上げられていました。


学校を出て就職をしようとしたが、まるで相手にしてもらえず、

やむなく生活保護を受けて暮らしているそうです。

失敗体験の積み重ねで、先も見えず苦しんでおられる様子です。


「悪意はないのに人を怒らせてしまう。

 その原因が分からない。」

「自分みたいな人間は取りたくない企業ばかりだと感じた」

「(就職活動を通じて、)『おまえなんかいらない』を通り越して、

 『お前なんか居なくていい、死ね』と言われているような感じすらした」

そこには、深い深い絶望感が漂っています。


「この現実を社会に認識して、(支援に)チカラを入れてもらわないと、

もらわないとどうにもならない。」

「(働けずにいる事で)家族や親族の目も冷たいし、

 追い詰められている」

と、苦悩の現実を語っておられました。


【診断までの長い道のり・・・漂流する当事者さん達】

 番組では、当事者さんが発達障害の診断を受けるまでの長い苦しみについても、取り上げていました。診断を求めて病院通いを始めてから、「発達障害」などの確定診断を受けるまでに5~10年と言うケースが決して少なくないというのです。


 成人で未診断という事は、親にも周囲にも気付かれずにここまで来てしまったという事です。そして、大学に行ったり、就職をする中で、上手く行かなかったことで、大きく自分状態を崩してしまった人達なのです。

 小学校から、中学・高校で不登校などで、既につまづく人もいますが、そこまではなんとかやってこれる人もいます。しかし、その残った人たちの多くも、大学や職場でつまづく事が多いと、僕も実感します

 前者がある程度決められたカリキュラムをこなせば卒業できるのに対し、大学や職場は、大人としての判断力を求められ、自分の行動にも、自分なりのアイデンティティーや、ポリシーを求められ、自ら計画して実行していくチカラを必要とされます。こうした課題を、多くの発達障害の当事者さん達は、最初は上手く乗り越えられないようなのです。


 そうして、対人関係や職場の仕事などで上手く行かず、それでも真面目な当事者さん達は、懸命に何とかしようと頑張りますが、頑張りが解決する問題ではないので、やがては疲れ果て、疲弊し、うつ病や睡眠障害、強迫性障害などの精神疾病に至る方が少なくありません

 でも、悲しい事に、この国の精神科医の多くは、発達障害の臨床経験に乏しいので、病院を訪れた彼らに対して、「うつ病」「心因反応」「睡眠障害」「強迫性障害」などの、外に表れている二次障害の診断しか出来ません。根本原因である「発達障害」はここでも見抜いてもらえずに、精神薬を投与されることになります。


番組では取り上げられていませんでしたが、

発達障害と投薬には大事な事があります。

(ただし、次に書くことを読んだとしても、決して自分ひとりで判断して、

 急に薬をやめたり、急に減らしたりはしないで下さい。

 それは、かえってキツイ副作用を起こす事に繋がるので、

 いかなる対処も医師の判断の元で行動してくださいね。)


というのも、精神科で出される薬の多くは、

発達障害の当事者さんには、成人適量では多すぎるらしいのです。

脳の構造の違いがこうした事に繋がるようなのです。

この事を知らずに、そのまま過大な量を投薬すると、

副作用を起こしたり、必要以上にぼぉ~とした状態になり、

思考も働かなくなり、もう仕事や学校どころではなくなってしまいます。


ですから、発達障害の臨床経験のない精神科医に、

当事者さんがかかっている状態と言うのは、大変危険な事なのです。

こうして、ますます社会適応から遠ざかってしまって、

回復までに、その先何年も要するようなことが、

世間では沢山起こっているようなのです。



【ようやくたどり着いた診断 しかしその後の現実】

こうした時期を経て、何件も病院を渡り歩いた末、

発達障害の診断を正しく下せる医師との出会いがあった人は、

「高機能広汎性発達障害」「アスペルガー症候群」などの

診断をもらう事が出来ます。


多くの人は自分に「障害」があることのショックより、

自分が学校や社会に適応できなかった原因が見つかったことで、

ホッとしたり、腑に落ちたと感じることが多いようです。


そして、その時、まだ二次障害があれば、

適量と適正な薬に切り替えてもらえるでしょうから、

薬害からは抜ける事が出来るでしょう。


しかし、多くの医師がしてくれるのはここまでなのです。

一部の医師や病院で、集団療法などは取り入れられているようですが、

それまだほんの一部の事で、

多くの方にはここまでしかフォローがないのです。


これは子どもの発達障害でもそうなのですが、

発達障害には根本的な治療法がないので、

医師は二次障害は直してくれようとしますが、

発達障害の根本的な苦しみに成すすべがありません


この障害の苦しさは、対人関係が上手くいかない事や、

集団に馴染めないことから起こる疎外感ですが、

それは薬では治せないので、そうなってしまうのです。


こうした経路を歩んだ多くの当事者さんは、

それまでに積み上げた否定体験から自分に自信がなく、

周囲の人たちに対しても懐疑的だったり、不信感が強いようです。

そしてそれは、社会全体に対する強い不信感にまで、

至ってしまっている方もいらっしゃいます。


この問題を解決するには、

もう一度自分を作り直すことが必要なのですが、

ほとんどの病院ではそこまでのフォローはないようなのです。


長い道のりを経て、ようやく診断まで辿り付いたとしても、

そこで道は途絶え、多くの当事者さんは、

また次の道を自分で探すことになるようなのです。


【当事者さんのための灯台が必要】

番組でも伝えていましたが、

今必要なのは、こうした当事者さん達が、どこに向かって、

その先の人生を歩んでいけばよいかと言う、

灯台の様なものなのだろうと感じます。


発達障害はその認知特性から、

社会に居て、そのまま周囲からの関わりを受けていると、

中々肯定的な自分と言うのは作れないように感じます。

ですから、この障害特性を理解してくれる世界を、

ひとつでも良いから持つ事で、

そこで肯定的なかかわりを沢山持ち、

あたたかく迎え入れられる体験を積み重ねることが大切だと感じます。


そして、彼らが、どの方向を目指して、

その先の人生を歩んでいけばよいのかを、

灯す道しるべが必要なのだと強く感じます。


今、僕が世話役をさせていただいている支援団体は、

家族向けのグループワークを主体としているのですが、

徐々に、当事者支援に対しても、

その守備範囲を拡げていきたいと考えています。


まだ、始めたばかりの団体で、

組織も十分ではなく、またぼくも修行が必要な身です。

ですから、すぐに直接的な支援が始められる訳ではないのですが、

この4月からも、補助的な支援行事を計画しています。


近いうちに、告知したいと思っていますので、

よろしければ是非ご参加下さい。


いずれにせよ、この障害には、

病院以外の支援がもっと必要だと感じます。

それと共に、社会啓蒙が進み、

少し違う感性のある人たちも受け入れられる社会が来て欲しいと願います。



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