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発達障害部門 第1位

特別支援教育部門 第9位


子供に発達障害があると、思春期や青年期に親子関係がこじれるケースがあるようです。「子供を自立させなければ」と言う、親だけに課せられた責任感が、その原因になることが多いようです。今日はそんなお話です。


【親が子どもを二次障害に追い込んでしまう悲しい現実】

発達障害の二次障害に、親がその起因者になってしまうことがあります

子供を精神病に追い詰めようと思って育てる親は、余り居ないでしょう。

でも、発達障害の親子では、悲しいかなこういう事が起こります。


佐々木正美先生は、著書(→本の詳細はこちら )で、

「無理解で、熱心な支援者が、当事者を一番困らせる」

と書いておられます。


悲しい現実ですが、そうしたことがあるようです。



【親だけに課せられた責任が、事態をこじらせる】

親には、「子供を一人前に育てなければ」と言う思いがあります。

「いずれ自分は先に死ぬんだから、

 ひとりで生きていけるようにしてやらねば」

・・・と思うわけです。


誰も、わが子に苦言を言わなくなっても、

・・・・いや、そうであるからこそ、

唯一親だけが、子どもに苦言を言うことが

辞められないのかもしれません。

「自分が言わないことで困るのは、

 我が子自身だ」という思いが、親にはあるのでしょう。


これが、孫だと、まったく感情が変わるようなのです。

孫なら、その子に困ったところがあっても、

その事も含めて無償の愛で接することが、出来やすいそうです。


僕の知る方で、ご自身は定型発達で、

子供も、孫も発達障害と言う方がいらっしゃいますが、

この方が、ボソッと、

「孫ならあたたかく見守れる・・・・・、

 無償の愛で関われる。

 でも、子供だとなぜそれが出来ないんだろう」

・・・とつぶやかれたことがあります。


その方は、自分の、子を見る目、孫を見る目の違いに葛藤されているようでした。



【先に死ぬ宿命の中で、焦る親 でも辛抱も大切】

こうした事を起こしてしまう背景に、

「わが子が、世間を渡れるように、

 常識をわきまえられるように育てるのは、

 親の責任だ」という親側の思いがあるようです。


そして、親は自分は先に死んでしまうのだからと、

子どもの状況に焦ってもしまうのでしょう。


でも、この考えと、発達障害はどうも相性が悪いようです。


それは、発達障害の成長は、

定型発達ような緩やかなカーブを描けないことが多いから

ではないかと考えるのです。


幾ら周囲が焦っても、

また本人にも焦りがあったところで、

その成長は容易に早まってくれる訳ではないのでしょう。

むしろ、不適合が悪化し、問題行動もエスカレートしてしまうようです。


そうであるなら、発達障害児の子育てには、定型発達の子育てとは、

また違った理解と辛抱が、親側に求められるように感じます。



【親の思い入れが煩悩になってしまうとき】

発達障害の成長と言うのは、そのあゆみも一歩一歩とゆっくりです。

予測や見通しを立てて、楽で安全な道のりをあゆむことも苦手です。

「一度、体験してみないとそのことを理解しにくい」という特性から、

周囲から見れば、ハラハラするようなことを沢山します。


また、感覚過敏や過剰適応の問題があるので、

いくらやる気があっても頑張りすぎは禁物で、

適度な休養をはさみながらでないと、

うつ病や他の精神疾患を起こしがちです。


こうした特性があるのに、当事者には、「過集中」と、

「疲れを自覚できにくい」というところもあるので、

親や支援者が、時には適度にペースダウンをしてやる必要もあるでしょう。


また、感情のコントロールも決して上手とは言えず、

不安が募ったり、行き詰った状況では、

感情の爆発や、時には暴力的な行動にも、至ることもあるようです。

純粋で、真面目で、その人なりの得意もあり、

周囲がその素養を上手く伸ばせば

大きな可能性も秘めた発達障害ですが、

その成長は、一筋縄には行かないようなのです。


こうした特性を考えると、

時に、学校に行けなくなったとしても、

一度で定職に就けなかったとしても、

それは、その子たちが成長していく、

ひとつの過程なのだという視点が大切に思います。


わが子のことだけに、ハラハラもしますし、

気も揉む事なのでしょうが、

そこをじっくりと待ってやることも、

大事なのだと考えます。


かく言うぼくも、実際、息子が、こうした状況になってしまったなら、

こんな判ったようなことがすんなりと出来るかどうかには、

実は、全く自信がないのですが、自分の気持ちに対して、

しっかりと肝には銘じておきたいなぁと思って、この記事を書きました。


「子煩悩」という言葉は、

親が子を可愛いと思う感情も、

それもまた「煩悩」なのだと教えてくれます。

親の強すぎる思い入れは、

時には、煩悩となるという事なのかもしれませんね。


あと、当事者の方にも、少し理解していただきたいところもあります。

親も人間なので、焦りを感じたり、

進展しない状況を受け止めきれないことがあります。

しかし、子を思っている気持ちに偽りがあるのではなく、

親にもつらさがあり、当事者の思いを受け止めきれず、

時には、傷つけてしまうような言葉を言ってしまうのだろうと考えます。

そこに親には、親としてのつらさもある事を、

少しだけでもいいから、わかっていただけると、嬉しく思います。



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発達障害支援:大阪家族限定グループワークのご案内

2011.02.10(木)  10:00~14:00

2011.04.08(金) 10:00~14:00

大阪市北区・中央区の貸し会議室にて開催!

少人数(10人)制 要予約




本文でご紹介した本です。


佐々木正美先生の新刊

「 アスペルガーを生きる子どもたちへ  :日本評論社」



アマゾンへ-sasaki

「自閉症の人が、自閉症のまま、

幸福に生きていくことが出来るように」

そんな願いを込めて書かれた本だと、

僕は感じました。


最大級のおすすめ本です!