今回は、こちらの記事 の続きです。この記事では、「成功体験を積む」ということが、二次障害を抱える当事者にとって、なぜ容易ではないのか・・・について、考えてみました。今回も同じテーマについて、もう少し深めてみたいと思います。今日のお話は、少し禅問答の様なものになるかもしれませんが、ひとつの言語化だと思ってお付き合いいただけましたら、幸いです。
【ある当事者さんのブログから】
さて、ある当事者のブログに今年の抱負と言うのがありました。
その中に、「思い込みにとらわれず、色々やってみる」というのがあげられていました。この方は、一つ前の記事とは別の当事者なのですが、同じ傾向を持ち、そこを変えていこうと考えているようです。
このお二人の考えと一本にまとめていると、
当事者の思考は、定型(「予測」-「体験」-「経験」)と違い、
「体験」-「経験」となるため、
そこに「予測」の入る要素がなく、
一度体験した事が判断要素の大半を占めるため、
「次やってみれば、うまく行くかも」とか、
「今回は状況が違うのだから、大丈夫」とは、
中々思えないということなのでしょう。
これを後者の当事者さんは、
「思い込み」に縛られている自分と感じているのでしょうね。
【思い込みに気付くことで、解決の道が開けてくる】
この後者の方の考えを想像してみると、
「自分が決め付けてしまっている」とか、
「それは思い込みに過ぎない」という発想が、
既に始まってるいるように感じます。
つまり、それが「思い込み」だと気づいてこそ、
過去の「体験」を払拭して、
「もう一度試してみよう」と思えるのだと、考えます。
この境地に、中々当事者さんはなれないのかなと想像したのです。
【二次障害の解決には、長い時間が掛かる】
後者の当事者さんとは、実は、以前いろいろと関わりがあったのです。
その当時の彼を思うと、今の彼は、非常に意欲的です。
次々と創作を発表されており、
また、外に向かって動きを活発にしておられます。
でも、1年前の彼は、まだまだそんな彼ではありませんでした。
しかし、この1年間で、少し勇気を出して試してみては、
成功したり、失敗したりを繰り返しながらも、
失敗に落ち込み過ぎない自分を少しずつ取り戻していくようになり、
成功体験をしっかりと積み重ねた結果、
今の彼が出来てきたように感じます。
ここに来るまでは、一進一退の様なことを繰り返しながらも、
少しずつ前に進んでこられたように見受けるのです。
【それでも、二次障害は解決できる!】
当事者さんにとって、
積み重ねてしまった自己否定を払拭するのは、
きっと並大抵の事ではないのでしょう。
折り重なった澱を取り除いたり、
すっかり着込んでしまった鎧を脱いでいくのには、
長い長い時間が必要なのだと、改めて思うのです。
決して、一石二鳥には、変わっていかないけれど、
確実な一歩を踏み出せば、
二次障害を克服する事は出来るのだと、
彼を見ていて、つくづく感じます。
支援する側としては、決して焦ることなく、
前を向き始めた当事者さんに対しては、
じっくりと見守るような姿勢が大切なのだと、
つくづく感じたことを、今日の締めとさせていただきたいと思います。
最後に、ぼくはこの当事者さんに、あついエールを送りたいと思います。
今は、もうあまりお付き合いがなくなってしまって残念なのですが、
いつもブログなどで、頑張っておられる様子を見て、嬉しく思っています。
当事者さんが、徐々に自分を取り戻していかれる様子は、
ぼくにも、何か勇気の様なものを与えてくださるので、とても嬉しいのです。
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