四診で扱う情報は、

主に感覚によって捉えられるものです。

それゆえ東洋医学の診断は主観的である

と表現されることがあります。

しかしこの考えは誤りで、

四診は感覚を用いてアナログ的に

生体情報を把握しているのであり、

診断によって収集される情報や現象は、

あくまで客観的な自然現象であり、

主観で作り上げたものではありません。

しかしアナログ的な把握であるがゆえに、

単なる現象の積み重ねで結論が出るものではなく、

現象を素材に仮定を立て、

現象を根拠にその仮定を検証する

知性が必要となります。

これは現象の素材をもとに、

事実の肖像画を描く作業に似ていて、

理論性と同時に感性を必要とする面があるのも事実です。