最近、ぐっすり眠れない・・・と言われる方が多いように思います。
確かにあれやこれやと考えてしまう事も多い気がします。
さて、ひとことで不眠といっても、寝つきが悪い、夜中に何度も目が覚める、熟睡感がないなど様々です。
またなにか病気がある方もいれば、特に思いつかない方もいますが、その原因は様々です。
不眠症の場合、中医学では主に“心”という臓器を考えます。
心は血液を全身にめぐらせるポンプの作用のほかに、“こころ”つまり精神活動を行う機能があるとされます。
この精神活動が安定して行われるには、気や血などが充足していなければなりませんが、これが足りなくなると心神は不安定になり、不眠のほかになんとなく胸がもやもやする、動悸がする、怖がりになる、よく嫌な夢を見る、などの症状が現れます。
これらが不足する要因で多いのはストレスです。
ただ、今の社会ではストレスを排除していくことは非常に難しいので、ストレスで失われる気や血を補い、体の中をくまなく循環させるような、生活習慣が大切になってきます。
一方、体の中に入り込んだ邪気のために不眠になる場合もあります。
熱や痰などの邪気が心神に影響すると、不眠のほかにイライラする、興奮して眠れない、口が苦い、口内炎、頭痛、などが見られます。
これにもストレスが関与する場合があり、そのほかに脂っこい物・味の濃い物・辛い物の食べすぎ、などもその要因となります。
基本的な対応法は、まず邪気がたまっているときには、それを取り去ります。
次にもっとも頻度が高い、気や血が不足した場合ですが、もちろん気血を補うことが原則になります。
ですが、このタイプの方は、不眠歴が長い場合が多く、一筋縄ではいかないことが多いのです。
通常、夜眠れないと昼間だるくなります。
すると、昼間に十分活動できないので、余計夜に眠れなくなります。こういった悪循環になることが多いのです。
そこで、昼間には気力を十分に補い元気に動けるようにして、夜はリラックスできるようにするとよく眠れるようになる場合が多いようです。