この二日、松山英樹プロのマスターズ優勝が頭から離れませんでしたので、今日は漢方のことを少し。
漢方では食べ物性質を、5つの『味』や『冷やす・温める(寒熱)』で表現しました。
今回はその中の『味』についてです。
これは我々がふだん感じる『味』という意味もありますが、加えてその味が示す性質を表します。
さらにこの『味』は食べ物だけではなく、薬を考える時にも応用されます。
食べ物の五つの味とその主な性質を以下に示しました。
酸味:汗を止める・下痢を止める・咳を止める等“収斂”の作用
苦味:咳がこみ上げてくるのを下に鎮める等の“降気”、湿疹を乾燥させる等の“乾燥”の作用
甘味:身体の“滋養”、緊張の“緩和”の作用。
辛味:汗を出す“発散”、血や気が停滞している時に動かす“活血”“行気”の作用
鹹味(塩辛い):尿や便を出す“瀉下”、身体にできたしこりを柔らかくする“軟堅”の作用
この五味は体質や体調、季節を考えてバランス良くとれば良いのですが、とりすぎると副作用が起こります。
つまり上記の作用が行きすぎてしまうのです。
例えば汗をかきやすい人が辛い物をたくさん食べると汗が出過ぎてしまい、身体に必要な水分や栄養分まで流れ出てしまうので、食事をしても元気になるどころか疲れてしまうということも起こります。
大昔の本では次のように書かれています。
『摂り過ぎの弊害として、酸味は肉が萎縮して唇が乾く、苦味は皮膚がカサカサして毛が抜ける、辛味は筋が引きつり爪が枯れる、鹹味は血が粘り血行が悪くなる。』
特に現代の生活習慣病の増加考えると、甘味・辛味・鹹味の物の過食に注意した方がよさそうですね。
こんな知恵を頭の片隅に置いておいて、今の体調にあった食事内容にちょこっとアレンジするのもいいと思います。