お医者さんは魔法使いではないから・・・ | 富山発 現役薬剤師がお届けするやさしい漢方とハーブ

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ココロとからだにやさしい漢方やハーブのお役立ち知識、フォトブログエッセイを現役薬剤師が富山からお届けします。

務めている薬局でのできごとです。

 

 

朝と夕の1日2回飲むお薬がある患者さん。

 

「朝は他のお薬があるから飲み忘れないけど、

夕は、ひとつだけなので、どうしても飲み忘れてしまう。

 

実は、もう長いこと、朝だけしかお薬を飲んでいないので、

た~くさん、お薬が余っているの。

 

お医者さんには、叱られちゃうから、言えないわ。

 

だから、こっそり捨てているの。

もったいないとは思うんだけどね。」

 

 

こんな風にお薬がたくさん余ってしまうことを防ぐために、

<残薬調整:ざんやくちょうせい>というのも、

薬剤師として大切なお仕事のひとつです。

 

 

「余っているのなら、いらないですよね。」

とお薬をなくすことができればいいのですが、

薬剤師の独断ではできません。

 

必ず、処方せんを書いたお医者さんの了解が必要です。

 

あたり前といえば、当たり前なのですが、

ここが意外とネックになってしまうんです。

 

 

 

「お医者さんには、飲み忘れていることを知られたくない」

そう思っている方が多いんですね。

 

 

なので、こちらから提案してみても、

「お医者さんに知られたくないから、やめてくれ」

と言われることが多いです。

 


実は、今回もこのケース。

お医者さんに怒られたくないからとやんわりお断りされました。

(ガックリと肩を落とす私。)



夕方の飲み忘れが多いのなら、

朝1回だけの別のお薬に変更できることもありますし、

 

夕方飲まなくても体調が安定しているなら、

そもそもそのお薬はいらないかもしれません。

 

 

「今度、自分でお医者さんに言うから!」

といってもらえたらいいですけど、

今回のように、このまま続くこともあるわけで・・・

薬剤師として、ジレンマを感じます。

 

 

 

余ったお薬やお薬代がもったいないというのもありますが、

(健康保険の負担=私たちの税金ですからね)

 

お医者さんは、

<ちゃんと指示通りに薬を飲んでいる>とおもって

診察して、またお薬を出されます。

 

だから、飲んでいないのなら、ちゃんと伝えないと、

正しい診断ができないんですね。

 

 

お医者さんは、魔法使いではないです。

 

 

患者さんから、からだの具合を聞いて=問診、

聴診器や検査などで診察して、

お医者さんは、診断していきます。

 

患者さんの話に<ウソ>が入ってしまったら、

<ちゃんとした>診断はできなくなってしまいます。

 

 

お医者さんに丸投げするのではなくって、

元気に過ごすために、患者さんも一緒になっていけたらっておもいます。

 

 

私も薬剤師として、もっとできることがあるはず!

がんばります。

 

 

 

 

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