務めている薬局でのできごとです。
朝と夕の1日2回飲むお薬がある患者さん。
「朝は他のお薬があるから飲み忘れないけど、
夕は、ひとつだけなので、どうしても飲み忘れてしまう。
実は、もう長いこと、朝だけしかお薬を飲んでいないので、
た~くさん、お薬が余っているの。
お医者さんには、叱られちゃうから、言えないわ。
だから、こっそり捨てているの。
もったいないとは思うんだけどね。」
こんな風にお薬がたくさん余ってしまうことを防ぐために、
<残薬調整:ざんやくちょうせい>というのも、
薬剤師として大切なお仕事のひとつです。
「余っているのなら、いらないですよね。」
とお薬をなくすことができればいいのですが、
薬剤師の独断ではできません。
必ず、処方せんを書いたお医者さんの了解が必要です。
あたり前といえば、当たり前なのですが、
ここが意外とネックになってしまうんです。
「お医者さんには、飲み忘れていることを知られたくない」
そう思っている方が多いんですね。
なので、こちらから提案してみても、
「お医者さんに知られたくないから、やめてくれ」
と言われることが多いです。
実は、今回もこのケース。
お医者さんに怒られたくないからとやんわりお断りされました。
(ガックリと肩を落とす私。)
夕方の飲み忘れが多いのなら、
朝1回だけの別のお薬に変更できることもありますし、
夕方飲まなくても体調が安定しているなら、
そもそもそのお薬はいらないかもしれません。
「今度、自分でお医者さんに言うから!」
といってもらえたらいいですけど、
今回のように、このまま続くこともあるわけで・・・
薬剤師として、ジレンマを感じます。
余ったお薬やお薬代がもったいないというのもありますが、
(健康保険の負担=私たちの税金ですからね)
お医者さんは、
<ちゃんと指示通りに薬を飲んでいる>とおもって
診察して、またお薬を出されます。
だから、飲んでいないのなら、ちゃんと伝えないと、
正しい診断ができないんですね。
お医者さんは、魔法使いではないです。
患者さんから、からだの具合を聞いて=問診、
聴診器や検査などで診察して、
お医者さんは、診断していきます。
患者さんの話に<ウソ>が入ってしまったら、
<ちゃんとした>診断はできなくなってしまいます。
お医者さんに丸投げするのではなくって、
元気に過ごすために、患者さんも一緒になっていけたらっておもいます。
私も薬剤師として、もっとできることがあるはず!
がんばります。
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