【新馬戦】週末デビュー馬の募集時評価は? | カンパイ氏の一口馬主ライフ

カンパイ氏の一口馬主ライフ

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ライター。一口馬主ライフを楽しむため、2020年からブログ開設。これまで、クラブ誌や有名競馬ブログにも寄稿してきた。独自の分析方法を確立し、毎年主要クラブの募集馬を分析している。

みなさま、こんばんは。

カンパイ氏です。

 

 長かった検討期間も一段落し、ほっと一息をついた金曜日でした。明日から、また競馬が始まります。

 

 私の「全頭完全評価(レビュー)」は本当にたくさんの方に読んでいただいています。改めて、ありがとうございます。

 

 これは毎年のことなのですが、1次募集が締め切られて以降も、新しく読んでいただく人がたくさんいます。嬉しい限りです。

 

 社台・サンデー・G1サラブレッドクラブの申し込みの結果発表は28日(金)です。楽しみに待ちましょう!

 

 さて、そんな中今週もたくさんのクラブ馬がデビューしてくれます。いつものように、私が募集時にどんなレビューを書いていたか、1頭ずつ振り返っていきたいと思います。(※青字がレビュー部分

 

■土曜京都5R(芝1400メートル)

・アーリントンロウ

88ユメノトキメキの22

(タワーオブロンドン、マーベラスサンデー、牡、鹿毛、3月10日、60,000円、3,000万円、松下武士)

【耐調教値】A

【血統】B

【早勝値】A

【潜在能力値】B

【コスパ値】C

【総合評価】B

 去年のサマーセールで、1320万円で落札された。血統面は地味だが、母系は意外と優秀。スピード能力が秀でた配合となっている。馬体面はセール出身ということもあって整っている。前肢の角度は綺麗だし、3月生まれにしては後肢の踏み込みもしっかり。全体的に完成度が高い印象だ。この造りであれば、継続的に負荷をかけ、早めから能力を発揮してくれる馬になれるはずだ。トモの容量は水準級。大活躍まで期待出来るかと言われれば疑問だが、2歳戦から長く楽しませてくれる可能性を感じた。ただ、ちょっと値段が高い。それだけ育成段階での期待が高いのだろうが、【コスパ値】は厳しくせざるを得なかった。ノーザンファームが落札したセール馬は走るので本馬も人気になりそうだが、特筆してオススメするほどでもないかな、というのが結論だ。

 

・ネーヴェフレスカ

80グランデアモーレの22

(ニューイヤーズデイ、ネオユニヴァース、牝、芦、4/12、石坂公一、2,400万円、6.0万円)

【耐調教値】A

【血統】B

【早勝値】A

【潜在能力値】A

【コスパ値】A

【総合評価】B

 母は堅実に活躍馬を出す。今回はロードカナロアが留まらずに父とのカップリングとなった。血統面ではかなりスピードに特化した配合で、馬体の造りも合わせて考えると、後々はダート短距離を主戦場とするタイプか。馬体面では四肢の角度が整っていて、強い調教にも耐えられそうだと感じた。若干右前肢が曲がっているが、許容範囲だと判断する。4月生まれにしては後肢の踏み込みは力強い。早めから力を発揮してくれそうだ。トモの容量は素晴らしく、上のクラスを目指せるだけの素質があると思う。この出来であれば値段は安く感じるし、2頭目、3当面でぜひ取っておきたい馬だ。牝馬のダート馬ということで【総合評価】はBランクにとどめたが、オススメしておきたい。

 

・ラプラーニュ

66フレジェールの22

(モーリス(アグネスタキオン)、メス、栗、04/30、2,400万円、60万円、渡辺薫彦)

【耐調教値】A

【血統】B

【早勝値】A

【潜在能力値】B

【コスパ値】A

【総合評価】B

 社台が誇るスキーゴーグルの牝系。血が濃くなりがちだが、サンデーサイレンスをほどよく薄めており、考えられた配合だ。馬体は血統通り、芝のマイル仕様に出た。四肢はしっかり整っていて、強い調教を問題なく課していけるだろう。馬体の完成度が高く、遅生まれとは思えないほど後肢の踏み込みがしっかりしている。早めから力を発揮しそうだ。トモの容量は水準レベル。成長力に不安が残るものの、この値段であれば十分狙える位置にあると思う。2歳戦や3歳夏までに稼げるだけ稼ぎ、その後は堅実に着を拾うような競走馬生活が思い描ける。【総合評価】をAランクにするほどでもないが、悪い馬じゃない。

 

■土曜東京6R(芝1400メートル)

・ヴェロニカペルシカ

22アラッザの22

(ダイワメジャー(Areion)、メス、栗、02/11、2,000万円、50万円、田島俊明)

【耐調教値】A

【血統】B

【早勝値】B

【潜在能力値】B

【コスパ値】B

【総合評価】B

母は産駒が亡くなったり、不受胎だったりとなかなか満足に仔を残せなかった。3年ぶりの待望の産駒だ。血統面ではダイワメジャーの成功例からは外れるものの、日本の馬場に合う血が織り込まれており、母系は悪くはない。馬体面では、父の産駒の特徴でもある仕上がりの早さがあまり感じられなかった。後肢は緩いし、筋肉量もそこまで備わっていない印象。これが母系の特徴であれば、意外性を発揮するかもしれない。トモの容量は水準をやや上回るくらいなので、大活躍までは期待薄だと思うが、何とか1勝して、コツコツ稼げれば成功というタイプか。この値段であれば2位、3位指名でもアリかな、と思い、【総合評価】は良い意味でのBランクとした。

 

・デアマトローナ

111ホームカミングクイーンの22

(キズナ(Holy Roman Emperor)、メス、鹿、04/04、6,000万円、150万円、国枝栄)

【耐調教値】B

【血統】B

【早勝値】C

【潜在能力値】B

【コスパ値】C

【総合評価】C

 母系はスピード豊富な欧州血統。キズナとのカップリングを考えると、正直もう少し硬めの血統要素が欲しいところ。半兄がセレクトセールで超高額取引をされたことからも注目される本馬だが、血統面ではBランクとした。馬体面は、右前肢の着地に難があるが、全体的には及第点。トモの緩さが顕著で、遅生まれということを差し引いても、仕上がりには時間がかかると見ておいた方がよさそうだ。一見、筋肉質に映る馬体だが、トモの容量という意味では物足りたい。値段が高く、【総合評価】は厳しく付けた。じっくりと仕上げていって、堅実に活躍してくれれば成功、といったイメージだ。

 

・ベラヴィットーリア

48ベラポーサの22

(ダイワメジャー(Tapit)、メス、鹿、05/01、1,600万円、40万円、高柳大輔)

【耐調教値】B

【血統】B

【早勝値】A

【潜在能力値】B

【コスパ値】A

【総合評価】B

 母はダートで3勝。本馬は9歳時の3番仔となる。血統面では、ダイワメジャーの成功例から外れるので、その点は割引が必要だ。馬体面では、両前肢のブレが少し気になった。あまり見ない歩様なので、どういう影響が出るのか判断が難しい。他の点はなかなかの出来で、まず後肢の踏み込みが非常にしっかりしている。5月生まれとは思えない仕上がりの早さだ。トモの容量は水準を少し上回る。この出来であれば、大活躍までは出来ずとも、堅実な走りを見せてくれそう。馬代は早々にペイして、古馬になるまでしっかり賞金を稼いでくれるような嬉しい馬になってくれる可能性もあると感じる。【総合評価】は良い意味でのBランクだ。

 

■日曜京都5R(芝1800メートル)

・サラコスティ

151サロニカの22

(エピファネイア(ディープインパクト)、牡、黒鹿、03/07、8,000万円、200万円、池添学)

【耐調教値】A

【血統】A

【早勝値】A

【潜在能力値】S

【コスパ値】B

【総合評価】S

 多くの活躍馬を出すサロミナを祖母にもつ良血。母もエルフィンSを勝った。本馬が3番仔になる。初仔はモーリス産駒だったが、実はもともとエピファネイアを付けていた。牧場側からすると、待望のエピファネイア産駒の誕生となる。血統のバランスは抜群で、非常に優れたスピードを想起させる。馬体面も素晴らしい出来だった。四肢はお手本のように綺麗に整っているし、この時期としては緩さも感じない。何よりもトモの容量が抜群だ。ノーザンファームが池添厩舎に良い馬を入れてきたという印象。父の産駒は成長力に疑問を抱かれ、そこまで人気にならない可能性もあるが、本馬は父の名声をもう一段高めてくれるかもしれない。そんな期待を抱かせる良駒だ。

 

・シストロン

47コルデトゥリーニの22 ▲さく癖

(ドゥラメンテ(ダイワメジャー)、メス、栗、05/05、3,600万円、90万円、中竹和也)

【耐調教値】A

【血統】A

【早勝値】B

【潜在能力値】A

【コスパ値】B

【総合評価】B

芝の短距離で素質を見せた母の2番仔。血統的には父母の相性は良いが、ダイワメジャーが強く出過ぎるとどうかな、と思っていた。そこは馬体を見て判断したい。その馬体だが、ほどよく硬さがあって、母系の良いところを引き継いでいるように感じる。四肢は綺麗で、歩様にクセも少ない。遅生まれなりの緩さはあるが、そこは致し方ないとして、トモの容量が豊富な点を評価したい。このレビューで何度も書いているように、牝馬は夏ごろにはデビューできそうな馬を選びたい。その意味では本馬はちょっと遅くなりそうなので、【総合評価】はBランクにとどめたが、決して悪い馬ではなく、社台のドゥラメンテの関西馬が欲しい人は、この馬を検討しても良いと思う。

 

■日曜東京5R(芝1600メートル)

・ヴァルキリーバース

102グロリアーナの22

(エピファネイア(ハーツクライ)、メス、黒鹿、01/20、5,000万円、125万円、田中博康)

【耐調教値】A

【血統】B

【早勝値】A

【潜在能力値】B

【コスパ値】B

【総合評価】B

初仔。母は人気のあった馬で、常に上位人気で競馬をしていた。結果ダートで2勝しかできなかったが、素質は一級品だったと思う。エピファネイアとハーツクライの組み合わせはエフフォーリアを思わせるが、本馬の母系は少し重い印象で、父との相性という点ではイマイチだと感じた。早生まれということもあるが、馬体の完成度はこの時期にしては高い。早めから力を発揮しそうなタイプだ。反面、馬体重は劇的に大きくならないかもしれない。400キロ台前半での競馬を想定する。四肢の角度は綺麗で、【耐調教値】はAランクとした。トモの容量は標準。マイル路線でコツコツ稼ぐようなイメージを抱いた。

 

・ジョリーレーヌ

16レッドレグナントの22

(モーリス、ロードカナロア、牝、栗、1/31、大竹正博、3,200万円、8.0万円)

【耐調教値】A

【血統】A

【早勝値】A

【潜在能力値】S

【コスパ値】A

【総合評価】A

 初仔。母は東京サラブレッドクラブで募集され、芝のマイル前後で4勝を挙げた。血統面では母系にスピードが豊富で、個人的にこれから主流になるであろう血筋を内包している。かなり良い配合に仕上がっている。四肢の角度は綺麗で、しっかりと鍛えていけるはず。早生まれではあるが、まだまだ馬体は大きくなるだろう。そんな中にあっても、トモの容量は抜群で、すでにしっかりとした筋肉が付き始めている。後肢の緩さは多少あるが、この筋肉量であれば、早期から力を発揮してくれるだろう。適性は母同様に芝のマイル路線だが、ゆくゆくはダートでも稼いでくれそう。重賞戦線を賑わせても何ら驚かないし、この価格はお買い得だと思える。父の産駒はそこまで人気にならないし、初仔ということもあって人気の盲点になりそうな気もする。オススメしておきたい。

 

・ディペンダブル

14アルアマーナの22 ▲左飛節関節炎により関節洗浄

(ナダル(ディープインパクト)、メス、鹿、01/24、1,600万円、40万円、菊沢隆徳)

【耐調教値】A

【血統】B

【早勝値】B

【潜在能力値】A

【コスパ値】A

【総合評価】A

 母は空胎明けのため、本馬は誕生日が早くなったことに加え、馬格も十分に出た。血統的には爆発力こそ感じないものの、バランスは悪くない。何より、トモの容量が素晴らしく、なかなか良い馬を出してきた印象だ。四肢の角度もしっかり整っていて、強い調教も課していけるだろう。早生まれにしては後肢の緩さが残っているので、成長はそんなに早いタイプではなさそうだが、だからこそ空胎明けの本馬こそ狙い目、という気がする。最終的にはダートを主戦場とするかもしれないが、この値段であれば十分狙える。今年度のG1サラブレッドクラブは、低価格帯に面白い馬が多い印象を受けているが、本馬もその1頭だ。

 

・ボンヌソワレ

17ノッテビアンカの22

(レイデオロ(Kendargent)、メス、栗、02/14、3,600万円、90万円、宮田敬介)

【耐調教値】B

【血統】B

【早勝値】C

【潜在能力値】C

【コスパ値】C

【総合評価】C

ロングランの半弟。サンデーサイレンスが入っておらず、母系も少し重いことから、スピード不足に陥らないか心配になった。馬体面でもなかなか厳しい評価をせざるを得ない。両前肢の外向が目立ち、強い調教をこなすには慎重な調整が求められそう。2月生まれとは思えないほどの緩さがあって、全体的に成長は遅めだ。トモの容量も不足していて、馬体の造りからすると今後も劇的に筋肉が付くようなイメージが出来なかった。牝馬でこの値段。かなり強気な印象で、【コスパ値】も上げられない。あえて本馬を狙う必要もないかな、というのが正直なところ。じっくり鍛えて、血統の意外性がどこまで発揮できるか、というところか。

 

 以上です。宝塚記念デーの日曜京都では、いよいよ【総合評価】Sランクのサラコスティが登場します。同じく日曜の東京5Rもレベルが高いです。ジョリーレーヌは【潜在能力値】Sランクですからね。2頭がどんなレースをしてくれるか楽しみです。

 

 ということで、とにかく今週もどの人馬も無事に!レースを楽しみに待ちたいと思います。

 

 それでは、今日はここまで。またブログを書きますね。

 

カンパイ氏