【新馬戦】週末デビュー馬の募集時評価は? | カンパイ氏の一口馬主ライフ

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ライター。一口馬主ライフを楽しむため、2020年からブログ開設。これまで、クラブ誌や有名競馬ブログにも寄稿してきた。独自の分析方法を確立し、毎年主要クラブの募集馬を分析している。

みなさま、こんばんは。

カンパイ氏です。

 

 いよいよ明日から2歳馬たちのメイクデビューが始まります。本当にワクワクしますね。

 

 最近は「早期デビューが有利」という状況が特に顕著になっています。だいたい9月ごろには年末の2歳G1の出走メンバーが見えてくる。そこで好走した馬がクラシックでも好走する。そんな年が多いです。

 

 なので、実は来年のクラシックを見据えると、今週末以降3カ月間くらいにはデビューしておきたい、ということになります。もちろん競馬はクラシックばかりではありません。古馬になってから活躍する馬もたくさんいますから、しっかり応援していきたいと思います。

 

 さて、去年の今頃、検討に検討を重ねていた馬たちが、1年かけてどう成長しているか。メイクデビューにはそんな楽しみもあります。

 

 前置きが長くなりましたが、今週末からは、その週にデビューする主なクラブ馬について、私が募集時に書いた「全頭完全評価(レビュー)」の内容を振り返っていきます。毎年恒例ですね。

 

 今年度募集のレビューは6月11日(火)に社台、サンデー、G1から順次リリースする予定ですので、どんな内容なのかを知ってもらうためにも、ぜひ下記の昨年のレビューを読んでみてください。(※青字がレビュー部分)

 

■土曜京都5R(芝1600メートル)

・ヴェーヌドール

32チェルシークロイスターズの22 ▲左飛節OCD除去手術

(エピファネイア(First Samurai)、牡、栗、02/11、6,000万円、150万円、武英智)

【耐調教値】B

【血統】B

【早勝値】C

【潜在能力値】B

【コスパ値】C

【総合評価】C

 母はフランスのG3で3着がある快速馬。日本の芝に適した血がちゃんと入っており、優秀な母系だ。父とのカップリングは少し切れ味不足の感があるものの、悪くはなかった。馬体は非常に大きく、まだまだ増えそうな点を考えると、慎重に脚元を見ていく必要があると考える。その脚元だが、右前肢の外向が気になった。繫ぎの角度などは問題なく、直ちに故障のリスクが高いとは思わないが、調整で注意は必要になってくるだろう。2月産まれにしては後肢の踏み込みが緩く、仕上がりには時間がかかりそうだと感じた。トモの容量は水準をやや上回るものがある。マイル路線での堅実な活躍を目指すイメージだが、それにしては高いので、【総合評価】は厳しく付けた。

 

■日曜京都5R(芝1400メートル)

・ヴァリオーサ

35ディヴィナプレシオーサの22

(エピファネイア(Crocker Road)、メス、鹿、05/02、4,000万円、100万円、武幸四郎)

【耐調教値】B

【血統】B

【早勝値】C

【潜在能力値】C

【コスパ値】C

【総合評価】C

 日本の種牡馬に相性抜群の血で構成された母。これまでも素質の高い産駒を残しているが、いつ大活躍する馬を出してもおかしくない。ただ、父との相性という意味では少し重さが残る。実際、シルバーステートが留まらずに、父との配合となって本馬が産まれた。馬体面では、前肢を巻き込むように歩くクセがマイナスポイント。5月生まれなので仕方ない面もあるが、それにしても後肢は緩い。牝馬でもあるし、もう少し早めから力を発揮してくれそうな馬を選ぶのがセオリーだと思う。加えて、トモの容量も現状では不足気味。値段もこの出来で考えると割高感がある。母の高い繁殖能力に期待したいのだが、現状ではオススメできる要素に乏しい、というのが正直なところだ。

 

・エルモッソペンドロ

61クロスペンデュラムの22

(イスラボニータ(ロードカナロア)、牡、黒鹿、02/17、2,000万円、50万円、西村真幸)

【耐調教値】B

【血統】B

【早勝値】B

【潜在能力値】A

【コスパ値】B

【総合評価】B

 馬体面の出来はなかな良かった。四肢については、右前肢の外向を少し割り引く程度で、おおむね整っている。血統的に、馬体が軟らかすぎる懸念があったが、実際はそうでもなかった。後肢の踏み込みも割としっかりしていて、仕上がり自体は早めだと思う。トモの容量も高いレベルにある。ただ、それでも【総合評価】をBランクにとどめたのは、やはり馬体の小ささだ。これで成長曲線がゆるやかな馬だったら、これからの成長に期待も出来るのだが、前述のように本馬は仕上がり自体は早いと思う。ならば、今後も劇的に大きくなることはないだろう。お手頃価格の牡馬だが、これだけ小さい状況では、なかなか狙いづらい。決して悪い馬ではないので、とにかく馬体が大きくなることに賭けるかどうかだ。

 

・ネティフラウ

189ウィラビーオーサムの22

(ミッキーアイル(Awesome Gambler)、メス、鹿、02/12、3,000万円、75万円、音無秀孝)

【耐調教値】A

【血統】B

【早勝値】B

【潜在能力値】B

【コスパ値】B

【総合評価】B

父の産駒は血が濃くなりがちだが、牧場側はあえて外して母とのカップリングを選択した。おそらくその試みは成功していて、父の産駒らしくない非常にスラっとした見た目の良い産駒が生まれた印象だ。とはいえ適性は芝の短距離であろうが、これまでの母の産駒のイメージよりももう一段階スピードがアップしそう。四肢の角度は綺麗で、しっかり鍛えていけそうな点も良い。緩さが残っていて、そんなにすぐに力を発揮する馬ではないかもしれないが、極端にデビューが遅れることはなさそう。トモの容量は標準で大物感という点では物足りないものの、馬体も470キロくらいまでは大きくなってくれそう。音無厩舎に適した要素満載の馬だと思う。値段が少し高いとも感じるが、コツコツと稼いで楽しませてくれそうだ。

 

■日曜東京5R(芝1600メートル)

・エンブロイダリー

30ロッテンマイヤーの22

(アドマイヤマーズ、クロフネ、メス、鹿毛、2月1日、60,000円、3,000万円、新規開業厩舎)

【耐調教値】C

【血統】B

【早勝値】C

【潜在能力値】B

【コスパ値】C

【総合評価】C

 おなじみハイジ一族の母の2番仔。昨年度募集の半兄ゼーゼマン(エピファネイア)もそうだったが、母の仔はどうも馬体に瑕疵が目立つ。本馬も両前肢が内向していて、故障のリスクは高めと判断する。それに伴い、後肢の踏み込みもバランスを欠き、かなり浅く、そして緩い歩様になってしまっている。トモの容量は水準級のものがあるが、この出来ではちょっと狙いが立たない。血統面でも、少しスピード不足が否めない。脚元に注意しながら慎重に鍛えていって、レベルが低下したころの未勝利戦で何とか勝利をつかむ。そんなイメージになってしまう。この価格を出すならば、他の馬を検討した方がいいのでは?と思ってしまった。

 

・クライスレリアーナ

133シユーマの22

(サートゥルナーリア(Medicean)、メス、鹿、02/23、5,000万円、125万円、木村哲也)

【耐調教値】A

【血統】A

【早勝値】B

【潜在能力値】S

【コスパ値】A

【総合評価】A

 不受胎明け。父がサートゥルナーリアに代わり、ロードカナロアが一段後ろにずれたことで、血統表のバランスはだいぶ良くなった。もともと母はスピードに欠けるタイプで、ディープインパクトを付けて何とか補ってきたが、今回の配合は悪くなさそうだ。馬体面もかなり出来の良さが目立った。まだまだ大きくなりそうな馬体だが、それを受け止めるだけのトモの容量を備えている。四肢は丈夫で、これなら馬体減りを気にせずどんどん乗り込んでいけるだろう。牝馬にとって、それはかなりポイントが高い。2月生まれにしては緩さが残っているので、そこまで早めから登場することはないかもしれないが、秋のデビューから十分にクラシック戦線を狙える。そんな活躍まで期待したい。

 

■日曜東京6R(芝1400メートル)

・カルデライト

13コーディエライトの22

(ナダル(ダイワメジャー)、メス、鹿、01/11、2,400万円、60万円、新規開業)

【耐調教値】A

【血統】B

【早勝値】B

【潜在能力値】A

【コスパ値】A

【総合評価】B

 母の初仔だった一つ上の兄(父ルーラーシップ)のレビューで、私は「かなり緩く、成長は遅め」と書いた。ただ、その兄が間もなくデビューを迎えるそうだ。結果はやってみなければわからないが、こんなに早くから使えるものか、と驚く。本馬も現状ではかなり緩いが、兄よりもマシ。ということは、そんなにデビューは遅くならないかもしれない。血統面では硬軟のバランスが悪くない。馬体も、特にトモの容量は高いレベルだ。総じて兄よりもワンランク上の血統、馬体だと思う。出産を重ねながら産駒の出来が上がってくる繁殖は、毎年チェックしておいた方がいい。その意味では、この価格なら十分狙えると思った。【総合評価】をAランクにするほどの活躍は疑問も、堅実な走りを期待して、良い意味でのBランクとした。

 

 以上です。【総合評価】Aランクを付けたクライスレリアーナが早くも出てきます。気になるのは、【早勝値】Cランクの馬が3頭も出てくること。募集時レビューを書いた時の印象からすると、ちょっと使い出しが早い気がしますが・・・。

 

 さて、どうなりますか。とにかくどの馬も、まずは無事に走ってきてほしいです。人馬ともに無事に。改めて祈りながら、レースを楽しみに待ちたいと思います。

 

 それでは、今日はここまで。またブログを書きますね。

 

カンパイ氏