名駅西、名古屋市中村区大門にあります、
着物専門店&男着物専門店きもの美濃幸 、
3代目若だんなです![]()
きもの美濃幸公式HPはこちら![]()
クリックでの応援を、
よろしくお願いいたします。![]()
《きもの美濃幸の一品をオンラインで》
5月の営業が無事終了。
今月は何だかとても長く感じ、
ゴールデンウィークが
遠い昔の様に感じています。
決して単調な日々の連続だった訳でもなく、
本業はもとより、
それ以外からも新たな刺激をもらえる時間があり、
それなりに充実した
5月一か月間だったと思い返しているのですが、
ゴールデンウィーク前半に行った、
徳川美術館での特別展「初音の調度」を観て、
その後ゴールデンウィーク後半に行った、
奈良国立博物館で開催しています
「超国宝」を観てから、
何だか色々と想いに耽るといいますか、
自身の本業と照らし合わせて
考えることが増えたように、
その思考の時間が
5月を長く感じさせているのかなと
思っております。
「初音の調度」は、
徳川幕府三代将軍徳川家光公の長女・千代姫が、
尾張徳川家二代光友公に嫁ぐ際に
支度をした婚礼調度一式で、
そのすべてが国宝とされています。

言うまでもなく、
心奪われるほどの素晴らしい、
贅を尽くした調度一式なのですが、
この企画展の最後に書かれていた企画総括のひと言が、
とても印象に残っています。
そこには、
これだけの調度品が
創り上げることが出来た奇跡的な要素として、
1、徳川幕府に圧倒的な財力が残っていた事。
2、それに応え得る超一流の
工芸作家や職人が存在していた事。
3、そしてそのすべてを統括できる
感性豊かなプロデューサーが存在していた事。
この3つの要素が
奇跡的に組み合わさることが叶い、
今こうして我々も
その文化・伝統・技術・美意識の粋を
味わうことが出来ているのだと、
この言葉から実感をしていました。
そう思うと、
今の着物業界はどうなんでしょうか。
50年ほど前、祖父が活躍して居た頃は、
ものがない時代であり、
高度経済成長期の日本には物とお金が回り続け、
その需要に応えるべく
染織問わず多くの職人さんたちが、
日々切磋琢磨しながらものづくりをし続け、
またそのすべてを統べるに叶うる
研ぎ澄まされた感性を持つ
問屋やきもの専門店が全国各地に存在し、
その当時に作られた素晴らしい染織品を
目の前にした時の気持ちと、
初音の調度を観た時の気持ちが
同じような心地がして、
大きな危機感を感じずには
いられませんでした。
また、
奈良国立博物館に展示されていた
数々の国宝たち、
それも1000年以上前に制作された
仏像や経典を目の前にすると、
一切の外連味がない、
「一途な心」が宿っている様に感じました。

超国宝展のサブタイトルである
「祈りのかがやき」
はそのもので、
大切な人たちが一瞬にして
目の前から消えてしまうような、
儚く、怖れに満ちた日々を過ごしていた人たちの、
少しでも安寧な日々で在りたいという
祈りが昇華したものが仏像や経典であり、
それは美しく見せてやろうという
作為的なよりも、
輝きだすかの様な
尊い祈りの想いがあってこそ
産み出されたものであり、
だからこそ、1000年経たのち、
そうした人生の儚さや怖れを
知らずに生きる今の私たちが見ても、
その前では立ち止まることしか出来ないほどの
存在感と美しさが宿るのだと、
超国宝展に足を運び感じていました。
初音の調度にしても、
超国宝展の国宝にしても、
どちらも人の手から作り出された
人為的なものには変わりありませんが、
見てくれの美しさやギミックに囚われず、
本質的な美しさや感動、
無心が生み出す奇跡というものは唯一無二であり、
そうした見てくれだけのものに
知らず知らずのうちに
目を向けがちな現代においても、
本質的なもの求め続ける事が
出来るきもの専門店になりたいと切に思いますし、
一生を賭けて半歩でも一寸でも良いので、
そうした極みにたどり着ける様に
日々を重ねていきたい願うばかりです。
そんな事を徒然と想う5月の末日。
明日は定休日をいただき、
明後日は臨時休業をいただき京都へと向かい、
今の感性で生み出された
新作たちを手に取ってきます。
美しいものを美しいと
感じることが出来るように。
ただただ心打つ一品に
出会える事を楽しみにして。
また名古屋に戻りましたら、
そんな嬉しいご報告が
皆さまにしたいと思います。