布の命。 | 愛知県名古屋市の着物屋 きもの美濃幸 3代目若だんなの徒然日記

愛知県名古屋市の着物屋 きもの美濃幸 3代目若だんなの徒然日記

名古屋市中村区大門商店街にある
きもの美濃幸 ラ・クロシェット
の日々の徒然です!

名駅西、名古屋市中村区大門にあります、

着物専門店&男着物専門店きもの美濃幸

3代目若だんなですウインク

 

 

きもの美濃幸公式HPはこちら音譜

 

http://kimono-minoko.nagoya/

 

 

ブログ・SNSの掲載商品のご購入は、

公式オンラインショップから。ダウン

 

きもの美濃幸オンラインショップ

 

 

今月、

わが店に仲間入りしてくれた

アップライトピアノ。

 

 

今日も息子と娘がピアノを弾いていたら、

ご近所の皆さまの耳に届き、

 

「ピアノの音色って良いね音譜

 

と、

微笑ましく見守って下さる

大切な存在となっています。

 

 

そのピアノさん。

 

南の窓際が定位置となり、

日中は陽射しがあたるので、

日除けカバーを掛けました。

 

 

この布は古い黒留袖の前身頃。

 

 

当店に長年眠っていて、

本来漆黒であるはずの地色も、

退色し、薄茶色っぽく色褪せており、

もう黒留袖としての寿命は尽きていました。

 

 

石持もそのまま。

 

 

生地は当たり前の様に正絹なので、

色褪せていても光沢感があり、

とても良いピアノカバーになっています。

 

 

先日、若女将と整理して、

この黒留袖を見つけ出し、

一部はサコッシュとして生まれ変わりましたが、

 

一番良い身頃の生地は、

こうして生まれ変わり、

新たな命が吹き込まれました。

 

 

当店でお取り扱いしているお品はどれも、

職人さんの手が掛かったものばかりで、

特に祖父の代に仕入れたお品は、

今見ても惚れ惚れする仕事が施された、

自慢の品ばかりです。

 

 

きもの屋として、

 

どの布であっても、帯地であっても、

生を受けた時の姿、職人が想う姿で、

それぞれに命を吹き込んであげれれば、

何より嬉しい事ではありますが、

 

こうして別の道を与えて、

一人でも多くの人目に触れながら、

愛でて貰うことが出来るのであれば、

 

それはそれで布としては本望なのかなと、

勝手に思っていたりしています。

 

 

布の命は有限で、

人の命よりは長い物が多いですが、

寿命が尽き、生地の精が抜けたものは、

自然と裂けて、布としての役目を果たします。

 

 

この黒留袖は、

何十年も経っていますが、

未だ精は抜けておらず、

ただただ眠っていただけ。

 

 

黒留袖にしか備わらない品格は持ちつつ、

これからもう少しカジュアルななかで、

美濃幸にお越しになられるお客様の目と心を

楽しませてもらえたらと思います。

 

 

名駅西、名古屋市中村区大門にあります、

着物専門店&男着物専門店きもの美濃幸

3代目若だんなでしたウインク


にほんブログ村 ファッションブログ 男性着物・和装へ
にほんブログ村