女性のための官能小説  

「イルベント エレローゼ 愛するということ -KOKO-」

公開連載第34回



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叶姉妹オフィシャルブログ「ABUNAI SISTERS」by Ameba




黒髪のアマン34(淑女の贈り物6)




何日も

眠れない夜が続いた。


黒髪の青年は
ふらふらと

KOKOの部屋に
忍び込んだことを悔やんだ。
 

もうこの部屋には、
見たくもないものしか

ないのか。
 

KOKOの美しさは
少しも変わらないのに。



「KOKO……何をしてるんだ」
 

悪い夢を見ているようだった。
 

悪い夢なら、
何度も見た。
 

でも、

今目の前にいるKOKOと
少女は

夢ではなく現実だ。
 

あの、

バラを持ってきていた少女が、
何故KOKOと

抱き合って、
キスしているのだろう。
 

バスローブ姿の少女は、
落ち着かない様子で
立ち尽くしている。
 

KOKOは、
平然とした様子で
うろたえる少女を、
優しく抱き寄せた。



「まあ、困ったひとね。
 勝手に

 入ってきてしまったの?」
  

KOKOが、
少女の唇に

やさしく唇を重ねる。
 

少女は、びくりと
体を震わせて驚いていた。
 

だが、

激しくなるキスに、
次第に酔いしれていくのが、
見ていてわかった。
 

黒髪の青年の中で、
何か大切なものが
引きちぎられてしまった気がした。

「……KOKO……、
君を失うくらいなら、
死んでやる」
 

バラを切り刻んだ
ナイフを出す。
 

自分の

しようとしていることに、
あまり実感は

なかった。
 

ただ、

彼女の心を
引きつけたかった。
 






(続く)






























(再)