女性のための官能小説  

「イルベント エレローゼ 愛するということ -KOKO-」

公開連載第26回







叶姉妹オフィシャルブログ「ABUNAI SISTERS」by Ameba





黒髪のアマン26(生きた媚薬6)



カツ、と
足音が

聞こえた気がした。
 


また、

あの初老の執事だろうか。
 


だったら

気にすることなどない。
 


黒髪の青年は、
さらに激しく

彼女を貪った。
 


彼女の指先が
髪の中を

愛・撫するように
掻き回す。
 


唇を唇で

挟まれて、
黒髪の青年の

体は
さらに熱くなった。
 


あの執事が

見ているのなら、
見せつけてやろう。
 


そう思っていられたのは、
ほんの少しの間で、
黒髪の青年は
KOKOの体に
溺れてしまったのだけれど。
 

足早に

立ち去る足音が

聞こえたときは、
思わず彼女の胸に

顔を押しつけて、
喉の奥で

笑ってしまった。
 


KOKOは

僕のものだ。
 


どれほど

僕たちが愉しんでいたか、
主人に

報告するがいい。




(続く)

(再)