女性のための官能小説  

「イルベント エレローゼ 愛するということ -KOKO-」

公開連載第19回





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黒髪のアマン19(ミス・バタフライ3)


「……ああ…!」

 

セっ・クスに
決まりごとなどないのだと、
KOKOは体で教えた。

 

目新しい世界ばかりを

見せる彼女に、

もっと赤裸々に言えば、
彼女の体に、

溺れたのだと

青年は思った。
 


だから、

せいぜい楽しもうと、
誘われるままに服を脱ぎ、
彼女の好奇心を満たし、
退屈をまぎらわせる、
オモチャになった。
 


それでいいと、
そう思っていたのに。
 


彼女の体に触れて、
彼女に触れられて、
震えるほど

体が高ぶるのは、

彼女が与える
肉体の快楽の

底知れぬ深さゆえのことだろうと、
たかをくくっていたのだ。

 


だが、それは違った。

 

彼女は、
彼に教えたのだ。
 


愛し合うことは、
もっと複雑で

もっと熱くて、
もっと自由なものなのだと。
 


あらゆる角度で。


あらゆる場所で。
 
あらゆる歓びで。
 
彼女はいつも

自由だった。
 
臆すことをしらなかった。
 
愉しむことに、
貪欲だった。
 


彼女の体に触れて、
彼女に触れられて、
震えるほど体が高ぶるのは、
彼女が与える肉体の快楽の

底知れぬ深さゆえのことだろうか。
 

一度目よりも二度目、

二度目よりも三度目。
 
彼女にのめりこんでゆく。
 

指の先が触れただけで、
もう二度と
離したくないと

思ってしまう。



頭で思うよりも先に、
体が彼女を

離したがらなかった。



彼の体が
彼女の中に深く埋もれて
濡れていたとき、

彼の心もまた、
潤いを得て

鼓動を取り戻し、
震えていたのだ。
 


青年は
必死でそれに
気付かないふりをしようとした。
 


体が彼女を
求めているだけに
すぎないのではないかと思った。
 


だが、それは、
違ったのだ。








(続く)











(再)