女性のための官能小説  

「イルベント エレローゼ 愛するということ -KOKO-」

公開連載第16回











黒髪のアマン16 (彼女の寝室8)



どれほど、強く
叩きつけても、
彼女の体は
濡れた音を立てながら、
柔らかく
受け止めてくれる。



「……ああ、KOKO……。
だめだ……止まらない…」

 
ずっと
火で炙られていたような彼の心には、
もともと希薄な自制心など
とうになくなっていた。

 
彼女は、
彼女の好みの位置に
彼を
たくみに導いた。

 
こうして、
彼女の好きなやり方を
いちから覚えていくことに、

青年は
たまらない歓びを
感じていた。
 

彼女の
好きな場所を突けば、

彼女は
ご褒美に

熱い吐息と、
神経をそのまま撫でさするような
内側の動きで
褒めてくれた。



「………っ、ああ、
もう……っ」
 

終わりは、
また新しい始まりにすぎない。
 

それがわかる。
 

目が眩むようだった。
 

いきなり、
暗い場所から、
夏の日向に出てしまったみたいだ。
 

視界が真っ白に、
灼かれた。



「ああ……!」



「…………ん、素敵よ……」



KOKOは、
黒髪の青年の
セっ・クスを気に入ったと、
青年の汗の滴る顎の先を
ぺろりと舐めた。



「君は……君こそ……」



とても素晴らしいと
言葉にするのが待てずに、
青年はそのまま食らいつくように
KOKOの唇を奪い、

貪った。
 

室内が
青年の荒い息づかいで
満たされる。
 

そこに
ハーモニーを奏でるように、
ぴったりと寄り添ったKOKOの
息づかいが重なった。
 

いつまででも
こうしていたい。
 

体も心も、
溶けて

なくなってしまいそうだった。


KOKOの体は
素晴らしかった。



KOKOの寝室に差し込む
月の明かりは、
プライヴェート・ヴィラの前に広がる
静かな夜のブラッチャーノ湖も
きらきらと照らし出していた。
 

僅かに風が出ている。



穏やかな波が、
ブラッチャーノ湖の
ほとりに寄せていた。




(続く)












(再)