女性のための官能小説  

「イルベント エレローゼ 愛するということ -KOKO-」

”よりぬき”公開





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よりぬき 『紳士の贈り物』 より -4


美しいデコルテを
目で撫で上げると、
尖った顎と、
濡れたように
輝く唇が
目について、
ちらりと覗いた赤い舌に
誘われるように、
キスをしたくなる。

「……ああ……」

金髪の青年は
吐息を漏らした。

まだ何もしていない舌が、
もう彼女の舌を
予感して、
しびれるようだった。

なのにKOKOは、
ふっと笑うと、
彼の手を
ゆっくり外して、
また
するりと腕を
すり抜けてしまう。

彼女が笑うと
空気が震えて、
その振動に
肌が撫でられるようで
たまらない。

体は確実に
焦がれていったが、
自分は彼女の
ベビーシッターでしかない。

どうすればいいのか、
測りかねて、
青年は珍しく
戸惑いの表情を
隠すことができなかった。

その顔を見て、
KOKOが実に
満足そうに笑らう。

「ふふ……」

金髪の青年は、
思わず
取り繕うのも
忘れ、
拗ねたように
立ち尽くしてしまった。

どうも、
調子が狂う。

彼女といると、
いつものようにふるまえない。

「……見て………」

KOKOの目が
怪しく光り、
彼女の肌を
すべるように、
するりとガウンが落ちた。
















(再)