女性のための官能小説  

「イルベント エレローゼ 愛するということ -KOKO-」

”よりぬき”公開






 



よりぬき 『紳士の贈り物』 より 




彼女の腕が、

舌が、

青年の選択を

褒めて

ねぎらって

くれているような

気がした。


どうしよう。


どうしたらいいだろう。


彼女を

満足させられる

ことに、

こんなにも

心躍る。


青年の指が

繊細に、


それぞれ別々の

弧を描きながら、

KOKOの

足の先から

膝をくるくると撫で、

ゆっくりと

そのまま

足の付け根へと

登ってゆく。


彼の指先は、

ついに彼女の

蜜の在り処を

覆い隠す

下着のラインに

辿り着き、

爪の先がなぞり上げた。


KOKOの

腰が

浮き上がる。


爪は下着の端を

ひっかけて、

ずらす。

すると、

そこから現れたのは、

アンダーヘアではなく、

美しい蝶だった。


色鮮やかな

タトゥーは、

さらに

その奥へと

広がっている。


KOKOの

爪先が肌に

沈みながら、

青年の背をなぞる。

だが、

爪痕がつくことはない。


その刺激は

痛みにも似ていて、

青年の背を

何度も

駆け抜けた。


離れると

もっと、

とねだりたくなる。


けれど、

離れている間は、

怖れるような

気持ちが

湧くのだ。


あともう少し、

強く爪先が

肌に沈めば、

赤い線が走るだろう。


「……んっ」


青年の体も、

快楽を耐える

ように、

美しい筋肉が

何度も

盛り上がった。


KOKOの手が、

金髪の青年の

黒い

ボクサーパンツの中へ

すべり込む。


今まで、

こんな風に

触られたことはない。







(再)