女性のための官能小説  

「イルベント エレローゼ 愛するということ -KOKO-」

”よりぬき”公開


叶姉妹オフィシャルブログ「ABUNAI SISTERS」by Ameba




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叶姉妹オフィシャルブログ「ABUNAI SISTERS」by Ameba





彼女と彼女の蜜月22(野バラと蝶1)



KOKOの
寝室に、
彼女に
招かれて
入っている事実に、
ジョルジャは
戸惑っていた。

 

どうしよう。
 


どうしよう。
 


夢じゃないことは、
わかるのに、
雲の上に
来たみたい。
 


やたらに
体が
ふわふわとした。
 


生まれて
初めて着る、
体を
優しく
抱きしめてくれるような
柔らかな布地の
バスローブ姿で、

落ち着かない

様子で
立ち尽くしている

ことしか

できない。
 


すると、
後ろから
そっと
KOKOが
近づいてきて、
楽しそうに
笑った。



「……ふふっ」
 


悪戯を

するように、
香水を
ジョルジャの

首元に
吹きかける。
 


首をすくめて

驚き、
振り返ると、
KOKOの
大きな瞳が
目の前にあって、
ジョルジャは

息を飲んだ。


「……あ……」


目が

離せない。


この目を、
こんなふうに、
気がすむまで
じっと
みつめて

みたかった。


あまりに
凝視してしまって、
自分の瞳孔が
真っ黒に
ひらいているのが

わかる。



それでも
ジョルジャは、
KOKOの瞳から
目を離すことが
できなかった。
 


いや、
離そうとは
思わなかったのだ。


「どうしたの?」
 


ふいに、
KOKOの瞳が
かげって、
そっと優しく
頬に触れる。
 


ジョルジャの
ぶたれた

赤い頬に、
指先が
触れる。
 


ジョルジャは、
なんでもないと
左右に
首を振る。


KOKOが、
ジョルジャの頬に
そっと
唇で
触れてくれた。
 


それだけで、
鈍い痛みは
去っていく

気がした。


「……ん…」
 


羽で

触れるような、
風が頬を
なぞるような、
ひどく優しい

触れかたに、
ジョルジャの
瞳の奥は、
じわりと湿る。
 


泣いてしまいそうだ。
 


今、

私は、
KOKOに
キス
されている。
 


こんなふうに、
触れられたかった。
 


無理矢理、
何かを
こじあけるようにではなく。



KOKOの

唇は、
首筋から
胸元へと
降りてきた。


「……ああ……」
 


ジョルジャの
口から、
控えめな
吐息が
零れ始める。
 


ジョルジャの
手は、
何度か
ためらって、
おそろるおそる
KOKOの背中に
触れた。


「………」
 


KOKOが、
ふっと顔を上げて
微笑んでくれた。
 


ジョルジャの
ためらいは、
じょじょに薄れて、
KOKOの
すべらかな肌を
撫でる
歓びを、
感じられるようになった。
 


KOKOは、
やわらかな

唇を
ジョルジャの

胸に
這わせながら、
上目遣いに
ジョルジャの

顔を
見る。



「……ふふ………、
……んっ」
 

KOKOの
肌の上を
拙くなぞる
ジョルジャの
指先が、
KOKOの
体に
歓びを与えたのが
わかった。
 


あまりの嬉しさに、
ジョルジャは
思わず
目を閉じて、
体の奥から
沸き上がる
疼きに
耐えた。
 


KOKOは、
正面から
やさしく
ジョルジャの髪を
なであげて、
囁いた。



「目を開けて」
 


ゆっくりと
目を開けると、
KOKOと
目が合う。


そのまま
見つめあううちに、
どちらからともなく、
自然と
唇を
寄せ合った。
 


そのときだ。
 


突然、
寝室のドアが
乱暴に
開かれる。



「……きゃっ!」


「………まあ、
困った人ね。
勝手に
入ってきてしまったの?」
 


そこには、
黒髪の青年が
立っていた



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(再)