女性のための官能小説 

「イルベント エレローゼ 愛するということ -KOKO-」

”よりぬき”公開



 




叶姉妹オフィシャルブログ「ABUNAI SISTERS」by Ameba





紳士の贈り物 4(金髪のベビーシッター4)


「……ふ…」

 


金髪の青年は、

思わずため息をもらした。



裕福な女の体は

何人も

知っている。

その中には

見事に磨き上げられた

美しい体の女性もいた。



だが、

こんな体の女性には

そうそう出会えるものでは

なかった。

 


KOKOの肌は

一度触れると、

いつまでも触れていたくなる

抗いがたい

心地よさがあった。


離しても

離しても、

あまりの心地よさに

またすぐに手を伸ばしたく

なってしまう。



この肌に

囚われる男は

多いだろうと、

金髪の青年は思った。

 


だが、彼の仕事は、

彼自身が楽しむことではなく、

KOKOを楽しませ、

退屈させないことだ。

 


雇い主の紳士には、

決してKOKOに

溺れないようにと

言い聞かされている。



「君の仕事は

彼女を奪うことでも

貪ることでもない。

彼女が求めるものを

与えることだ」

 


そう言った

紳士の目の

有無を言わせぬ強さが、

まだ目の奥にある。

 


冷静な紳士が、

なぜこうも

彼女に夢中になるのかも、

正直なところ

不思議だった。

 


彼女はたしかに

魅力的な女性なのだろう。

何もかも手にしている

あの紳士が

夢中になるのだから。

 


しかし、

魅力的な女は

この世に

彼女ひとりではない。

 


だが、会ってみて

予感がした。

そして触れてみて

わかった。

 


彼女は

特別な女性だ。

 


柔らかだが、

はじき返すような

強さももっている肌の

内側にある

彼女のしなやかな筋肉は、

過不足なく

KOKOの

しっかりした骨を

おおっている。

 


それは、

KOKOの

体の外だけでない。



「………っ、

ああ……」

 


甘いため息が

KOKOの

唇から零れ落ち、

体が揺れた。 

 


彼女の濡れた

体の中は、

唾液のように

蜜をしたたらせ、

蠢(うごめ)いて、 

金髪の青年の

冷静であろうとする

胸の内をかき乱す。

 


柔らかく

包み込むだけでなく、

しっとりと絡みついてくる

彼女の体の内側の

優しさは、

繋がった場所から

心の奥に入り込んで来て、

潤わせた。

 


そして、

優しいだけでないそこは、

容赦なく、

青年を翻弄(ほんろう)した。

 


濡れた

指のように。

 


熱い

舌のように。

 


そして、

彼女の

蠱惑的な

視線のように。

 


青年を捕らえて、

離さない。

 


くちゅりと、

また濡れた音が

漏れた。

その音を

かき消すように、

腰を動かす合間に

唇を合わせて

舌を吸う。



どちらの濡れた音も、

金髪の青年の

揺れる頭蓋骨の中で

甘く響いた。

 


彼女を

満足させるのは、

簡単なことではない。

 


金髪のベビーシッターは思った。

 


KOKOに

溺れないようにするのは、

彼にとっても、

もっとも難しいことになりそうだ



********










(再)