女性のための官能小説  

「イルベント エレローゼ 愛するということ -KOKO-」

公開連載第17回








黒髪のアマン17(ミス・バタフライ1)


「……KOKO……!」


黒髪の青年は、
プライヴェート・ヴィラの広い庭で、
ひらりひらりと蝶のように
すり抜けてしまうKOKOを
なかなか掴まえられずに、
焦れていた。



何かに憑かれたように、
彼女を追いかけながら、
彼女の名を呼ぶ。



彼女の姿が遠ざかると、
迷子にでもなったような
心細さを感じた。



KOKOは
ふいに足を止めて、
青年を待ったかと思うと、
また笑いながら駆けだした。

 


蝶が人の姿になったら、
きっとこんなふうなのかもしれない。



手が届かないと思うほど、
遠くには飛ばない。



けれど、


簡単には捕まってくれないのだ。


「…KOKO! KOKO!」



ようやく、
蝶は止まり木を定めた。
 


よく葉のしげった、
幹のしっかりとした
大きな木だ。
 


青年は
今度こそ逃がすまいと、
まず彼女の太股を片方、
抱え上げてしまう。


「……まあ、ふふ…」


KOKOは、わざと
青年の胸に手をついて
距離をとった。
 


青年が詰るように名を呼ぶと、
優しくあやすように
唇を寄せる。
 


もう一秒も
我慢したくなかった。
 


彼女の肢体の線を
あらわに描き出しながら、
肝心の場所は隠してしまう
忌々しいドレスの中に手を入れると、



彼女のすべらかな丘があり、
その奥に

熱く湿った
場所がある。
 


滴る蜜を
指先で感じて、
青年は待つことができずに、

彼女の腰を
両腕でしっかりと
抱え上げた。
 


KOKOをその木に
縫い止めてしまいたいと思いながら、
何度も
何度も
落ちてくる腰を
叩きあげるように
突いた。





(続く)












(再)