女性のための官能小説  

「イルベント エレローゼ 愛するということ -KOKO-」

公開連載第14回





黒髪のアマン14 (彼女の寝室6)



KOKOが、
ゆっくりと足を開く。



すると、そこには
美しい蝶が、
羽を広げていた。


彼女が足を閉じていたときとは、
また違う。



「……KOKO
……ああ、なんて美しいんだ……」



KOKOの足の間は、
綺麗にアンダーヘアが処理されていた。

 
そして、
そのなだらかな丘には、
足を開くと
羽を広げる形に、
ブルー、レッド、グリーンの色で
彩られた蝶が、
刻まれていたのだ。



彼女が動くと、
その美しい蝶が
羽ばたく。



そのタトゥーは、
こうして
彼女のごくプライベートな
姿を見た者にしか、
見ることができない。



そう思うと、
黒髪の青年の心は、
まさに羽を震わせる蝶のように
震えた。



だが、それは
甘い苦しみの
始まりでもあった。



KOKOの中に
入るということは、
さらに彼が
自由を失うということに
ほかならない。



「んっ、……KOKO
…KOKO……! 


君は……なんて体だ…っ」

 
KOKOの体の中には、
深く波打つ
海があった。



あっという間に
波に溺れて、
KOKOにしがみつく。
 

蜜は、
ねっとりと重く、
まとわりつくように
幾らでも彼女の内から
湧き出てきて、
青年自身を濡らした。



一瞬、
動くのも忘れて
目を閉じる。


ゆっくりと目を開くと、
自分の目が
じわりと潤むのがわかった。
 

目が合うと、
彼女は優しく微笑んで、
無慈悲な波を
さらなる嵐に変えてしまう。
 

KOKOは
青年の逞しい腹に手を突いて、
女王のように
彼の上に君臨し、
支配した。
 

彼女の腰が動くと、
体の中の
海も動く。
 

じっとしたまま、
強く挟みこむように
彼女の太股が
彼の腰をぎゅっとしめつけると、
彼を翻弄する波は、
むしろひどく強く大きくなった。



彼のアンダーは
あっという間に湿り気を帯びて、
はりついた。



(続く)








(再)