女性のための官能小説  

「イルベント エレローゼ 愛するということ -KOKO-」

公開連載第12回









黒髪のアマン12 (彼女の寝室4)



寝室には、
KOKOの姿見のためなのか、
それとも愉しみのためなのか、
大きな鏡があった。



「………あ、………ああ
……はあ」

 
その中に、
自分の上で
歓びの声を上げるKOKOの
しなる背中が
映っている。



整った背筋と、
くびれた腰に
思わず青年の目は釘付けになった。


ハート形のヒップは
黒い網タイツで覆われ、

黒のピンヒールが、
彼女の長い足を
さらに美しく見せていた。



KOKOが
シニョンに結っていた髪をほどく。



すると、
長い巻毛が
首から肩の下へと落ち、
彼女の美しいデコルテを飾った。



「………本物のわたくしはこちらよ」



KOKOが、
黒髪の青年に覆い被さって
鏡に映る彼女自身を
隠してしまった。



窓から差し込む月明かりが、
ふたりの汗の滲んできた
恥ずかしい肢体を
照らす。



青年は、
自分を見つめるKOKOの目が、
濡れたように輝いているのを見ると、

たまらず起きあがって
彼女に
貪りついた。



「…あ、……っはあ」



そのまま、
優しく彼女の首を支えて、
口づけを深くした。



「んっ」



キスの合間に
目が合って、
KOKOの目が笑う。



それを承諾の証と
みてとって、
黒髪の青年は、
しっかりとした
太くて長い指で
彼女の黒い網タイツを
引き裂いた。



今まで欲望のままに、
欲しいものを
欲しいだけ
掴んできた指だ。



白い弾力のある太腿が、
その指を跳ね返した。



青年の
汗に濡れた胸元に、
KOKOのほっそりとした
長い指が伸びる。



「KOKO……ああ……」



青年は、我慢できず
興奮した声を漏らした。
 

自分の湿った息の熱さに、
喉が灼けそうだった。



そのまま、
下着のラインを、指でなぞり、
彼女が抗わないのをみて、

指を差し込んで
剥ぐように
引き下ろす。



ゆっくりと、脱がせながら
愛・撫する余裕が
今はなかった。




(続く)









(再)