大阪の淀川が流れる地域の警察署に保護されたノエルくん。
わんこ友だちからのお話は、ある女性が警察署から引き取ってくれたうさぎが強烈に噛みついてくるので怖くてお世話もできずケージに入れっぱなしにするしかない状況で、さらに生後わずかな人間の赤ちゃんがいる、ということでした。
ヨチヨチ歩きの赤ちゃんが噛まれでもしたら大変だということでNOAで引き受けることになりました。
初めて会ったノエルくんは隅っこで固まってガタガタ震えていて本当にかわいそうな状態でした。
事務局で少しづつ慣れていってもらえればと思っていたのもつかの間、おめめが変?ということで病院に行きました。病名は角膜閉鎖症。一週間ほど入院して治療していただきました。
結膜炎から視界に異常が出ている場合は手術も検討されましたが、見た目を気にしないなら手術しなくてもいいのでは?という診断を受け、何度も手術をするのもかわいそうなのでそのまま事務局に帰ってきました。
最初は事務局でも人が通るたびに怯えていて、ケージをあけようものなら唸りながら飛びかかって噛みつこうとしてきました。
よっぽど怖い思いをしてきたんじゃないでしょうか。
去勢手術を済ませた割に噛みぐせは治らず、相変わらずケージに手を入れようとすると噛みついてきましたが、それでも少しづつ環境にも慣れ、怯えたり唸ったりというのはなくなってきました。
年末に里親希望のお申し出が届きました。
希望者の方は関東の方。
NOAでは関東の方でも里親さんになっていただくことはできますが、必ず大阪まで一度会いに来ていただくことになっています。
ですので、遠方にお住まいの方には地元で保護されてる子を迎えてあげてくださいとお伝えしています。
ところがノエルくんの希望者の方は大阪まで来るとおっしゃる。最初はほんとに?って思いましたがお正月明けに本当に会いにいらっしゃいました。
ノエルくんが噛みついてくる距離をはかったり、この子は心傷ついていると思うので癒してあげたいというお気持ちをお話くださいました。
そして今日、無事に関東までお届けに伺いました。
新幹線の中ではずっと固まって緊張していたノエルくん。せっかく事務局の暮らしに慣れてきたのにまた環境が変わって大丈夫かな?と心配していました。
おうちに着くと、ひとまずサークルを広げて出てもらおうとしましたがなかなかキャリーから出てきません。
でもママがわらっこトンネルを入れてくれたら最初はキャリーに体を残したまま、しばらくするとキャリーから出てきてわらっこトンネルを齧りだしました。
その後もふだんと変わらない仕草で緊張も解けてご機嫌で遊んでくれたノエルくん。
意外に緊張もなく馴染んでいけそうな感じでホッとしました。
この時はラビットサークルひとつでしたが、これからはふたつつなげて遊ばせてあげて、ゆくゆくはお部屋を整理してフリーで遊ばせてあげたいというお話をしてくださいました。
まずは第一関門突破です。
事務局のケージより一回り大きなケージに一揃え準備してくださっていました。
これから一ヶ月ほどトライアルをしてもらいますが、何とかやっていけそうな気がしました。
保護されてきたときの恐怖に引きつったお顔も今はとっても柔らかく優しいお顔つきになりました。
怖い思いをたくさんしてきたであろうノエルくん。
これからは優しいママと一緒に安心してゆっくりと過ごして幸せになってほしいです。
とにかく。
噛みぐせだけは改善してほしいと切実に願っています。