『施設に入る』ということ〜「まる子さんはそれでいいんですか?」〜 | 老障介護の終わりは、私の介護生活の始まり 〜 義姉まーちゃんは脳性マヒ 〜

老障介護の終わりは、私の介護生活の始まり 〜 義姉まーちゃんは脳性マヒ 〜

2023.12.25 義母が倒れ、翌2024.1.20 他界。
残されたのは、重度の障害を持つ義姉。
まもなく64歳の義姉が、障害者施設に入れる期限は65歳の誕生日‼️ 果たして入所はできるのか⁉️
介護生活のあれこれや、私の心の声を綴ってみます❣️
診療放射線技師・占い師

義姉まーちゃんは、脳性マヒ。


1月に、お世話をしていたお義母さんが亡くなり、


現在は、二世帯住宅の1階で1人で暮らしている。




まーちゃんは、重度障害者。ひとりでは生きていけない。


お義母さんは倒れてから、


娘のまる子が障害者支援施設に入れるかどうかだけを心配して、


1ヶ月後に亡くなった。




今はやっと、施設入所のための手続きが終わり、施設に空きが出るのを待っている状態。



私が食事やお洗濯など生活のお世話をしているが、


お風呂は週に2回、『重度障害者移動入浴サービス』を利用し、


さらに週に2回、ヘルパーさんに来てもらって、自宅のお風呂にも入っている。



そのヘルパーさんは、社会福祉協議会の、


区の介護福祉事務所から派遣されてくる。



年度替わりの今は、あらゆるサービスの更新時期で、


介護福祉事務所も然り。





そして先日、


担当代理の介護福祉士さんが、


新しい『障害者医療費受給者証』の確認のためにやって来た。



「まる子さんは2月がお誕生日で来年は65歳になるから、この保険証はそれまでで、お誕生日で切り替えですねー」



65歳になるまでは、障害者支援のさまざまなサービスを受けられるが、


65歳になると高齢者となり、介護保険に切り替わるのだ。



まーちゃんが、


「施設行くからそれまでだね」と言うと、



その介護福祉士さんは 寂しそうな声で、


「そんなことないですよぉ」



・・・ん? そんなことない?



何を言うんだ?と思った私は、


「まーちゃん、今、施設の空き待ち中なんだよね〜」



すると、介護福祉士さん、



「まる子さんはそれでいいんですか?」




…はあー?




一体この人はなにを言っているんだ?




無言のまーちゃんを前に私は、

「65歳になるともう、障害者施設には入れませんよね?
特養(特別養護老人ホーム)より障害者施設の方がまーちゃんには良いから、なんとか障害者施設に入りたいと思ってるんです。
お義母さんもそれが希望だったんです。
たまたまお義母さんのお通夜の日が見学の日だったんですけど、見学に行ってお話も聞いてきたんです。
そしたら、昨年から5人空きだったのが埋まったところだということで…。

・・・略・・・

詳細はこちら👇🏻
一旦、入所してしまえばずっと居られるし、あとは外出も外泊も自由だし…。
なので、なんとかこの一年で空きが出ないかと思っているんだよね〜。
きっと、まーちゃん運がいいから入れるよね!」


「そうなんですね…」





私はこの介護福祉士さんは、介護福祉士として、

 "してはいけない態度” をし、

 "言ってはいけないこと”を言ったと思う。




まず第一に、まーちゃんに、

障害者施設に入ることを「いいんですか?」

と聞いたこと。



私からこの話を聞いた夫は、第一声、

「人の家のことに口挟むな!」と怒った。


その家その家に、それぞれの事情がある。

まーちゃんは障害者だが、高齢になって施設に入る人も多い。


我が家の場合、お義母さんは常々、

「私が看れなくなったら、まる子は施設に入れるから」

と言ってきた。

当然、まーちゃんもそのつもりで生きてきている。


そんなまーちゃんに、

担当代理で事情をよく知らない?介護福祉士が、

施設に入ることを「いいのか?」などと聞いてどうなるのだ。


もちろん、まーちゃんは答えない。

残念ながら、まーちゃんに、“NO” という選択肢は無く、

おそらく、NOなどと考えたこともないのだろう。


この介護福祉士は、

幼い頃から障害者として生きて来て、いつかは施設に入り、そこで生きていくと決まっている人がいることをわかっていない。
さらに、
「それでいいんですか?」と言う言葉が、その兄弟を傷つけるということも。




そして、ここからがさらに問題。


この介護福祉士は、


『施設に入ること自体をよく思っていない‼️』


これが一般の人ならまだわかる。

施設に入ること自体にネガティブな感じを持っている人がいることも事実だし、

住み慣れた家を出て、家族と離れ、

集団生活をすることを気の毒と思うこともある。



しかし、この人は介護福祉士だ。


介護福祉士としてやって来て話をしているのに、

「施設に行く」と言った利用者に対して、

なんとも寂しそうというか悲しげな感じで

「そんなことはないですよぉ」とは、

何が、どう「そんなことはない」のだ??



見学でお話を聞いた障害者支援施設の方は、

「ココは、みなさんが思っておられるより、ずっといいところです」

と言っていた。

現場では、制度上の問題、雇用の問題など、さまざまな問題を抱えながらも、

少しでも利用者さんのためになるよう考え、努力しておられるのが、

言葉の端々から伝わってきた。


もちろん、施設といってもいろんな施設があるとも思う。

時にはニュースで事件が報道されたりもする。


だからこそ、介護福祉士ならば、

現場のことをよく知り、要らぬ誤解を払拭し、

利用者やその家族が安心して入所できるよう話すべきだ。


そして、ネガティブになってしまうような介護に関する問題に気づいているならば、

介護のプロとして、現場の改善はもちろん、

国や自治体に『改善を求めていく』ことが

必要なのではないのだろうか?




『施設に入り、生きていくこと』に対し、

上っ面な言葉ではなく、センチメンタルにもならず、

その人の人生に、正面から向き合ってほしい。



私はこの介護福祉士に、そう話そうと思っている。