Question;
レジャー企業のバイヤーです。先日、装置の買い替え時に、価格重視で従来の取引先の地元企業を切りました。この判断は正しかったでしょうか?
Answer;
その判断が正しかったかどうかは、その購買品の性質や目的によります。例えば、消耗品のようなモノなら価格だけで判断しても問題ないでしょう。
しかし、レジャー装置ということであれば、顧客満足や、その後のメンテナンス業務などのことも考慮に入れなければなりません。
その場合、購買価格だけを考えれば、より低価格のものを比較購買したのですから正解だったわけです。
しかし、その後のサービス(メンテナンスなど)が従来の地元企業より劣った場合は、正解とは言えないことになります。
今から30年も前の、私がサラリーマン時代の出来事でした。ファッション衣料専門店だった当時の会社で、クレジット会員獲得のための初めてのパンフレットが出来あがってきました。
それは、文字ばかりが羅列され、まるで規則集かと思われるようなパンフレットでした。用紙もペラペラで、全く見る気の起こらないようなモノでした。
当然、社内で問題になり原因をしらべたところ、クレジット部門の社員が、経費節減と思い、デザイン会社の案を却下し、自分で作成したことが判明しました。
結果は、とてもファッション専門店として、顧客に配布できるパンフレットではないという判断になり、パンフレットは全て作り直し、その社員も責任を取らされる羽目になってしまいました。
これは「部分最適」が、必ずしも「全体最適」とならないという悪例です。
目的が「クレジット会員獲得」なのに、経費節減のみに目がいったしまった結果、顧客が見てくれないようなパンフレットを作ってしまったのでは、主客転倒です。
ことわざの「木を見て森を見ず」にならないように留意しましょう。
この文章はNRIJ『戦略的交渉力』プログラムの理論をベースにしています。
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↓
NRIJホームページ : http://www.nrij.jp
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