Question; 
 取引先のAさんは、いつも、だらだらと話がエンドレスに続きます。気分を害することなく、話を中断させる方法はありますか? 

Answer;
 その場合は、バックトラック(Backtrack)が有効です。日本語では「オウム返し」と呼ばれる技法です。つまり、相手が話した言葉などを、繰り返して相手に返すことです。

 相手の話が長く、同じようなことを繰り返していると思った場合は、話の一段落がついた時に、相手の話の内容を「要約」して相手に返します。

 「つまり、Aさんのお話は○○ということで、弊社に○○をご希望されているという理解で宜しいでしょうか?」など。

 このような「要約」をすることで、相手の話を中断させることができます。一方、相手は、自分の話をしっかりと聞き、理解されているという意識になりますので、あなたに信頼感や好意を覚えることにもなります。

 相手が「そうだよ」などと返答した場合は、間髪を入れず、こちらから質問するなり、話し始めるなど、その後の主導権を握って商談してください。 

 ちなみに、NLPコミュニケーションでは「オウム返し」は、相手との良好な信頼関係を築くためのスキルとして、この「要約」以外に、次のような技法のことも指しています。

・相手が話した「事実」のキーワード(キーセンテンス)を繰り返す。
 「ディズニーランドに行かれたのですね」「3万円ですか」

・相手が話した「感情」のキーワード(キーセンテンス)を繰り返す。
 「それは嬉しいですね」「本当に腹が立ちますよね」

 「オウム返し」をするキーワードやキーセンテンスは、相手が重要視していることや、相手特有の言葉とか表現方法などが有効です。
 

Question; 
 絶対的優位の相手に対して、当社および当職の立場は弱く、

説得テクニックの使用も遠慮がちになり、最悪の事態に追い込

まれることがあります。 

Answer;
 交渉の立場に強弱(相違)はあります。また、その強弱に大小

があることも事実です。

 ただ、最初から弱腰のあなたは、交渉に臨む心構えから改善

する必要があります。理由は、心構えで「交渉の成果」が大きく

左右されるからです。

 もし相手が絶対的優位にあるとしても、あなたの会社やあなた

が全く不要であるならば、相手が貴重な時間を1分たりと費やすはずがありません。

 つまり、あなたに商談の機会を与えるということは、あなたやあ

なたの会社に期待していることがあるということです。だから、も

っと自信を持って、相手にとって有益な商材やサービスを提供するように努めてください。

 こちらの立場が弱く、最悪の事態に陥った場合、相手が「親分肌」の人ならば、最後の手段として使えるのが、いわゆる"自爆"

テクニックです。

 ホールドアップや土下座をして「すみません。あなたの好きにし

てください」と全面降伏し、自分がいかに弱い立場にあるかを相

手に訴えます。

 つまり、相手の「ご尽力」が無ければ自分は破滅してしまうと、

相手の「お慈悲」にすがる行為です。

 そして、相手が「助けてくれた」ならば「一生、恩に着ます」とい

うメッセージも併せて伝えます。
 
 これ以上失うものがないという時には、強力な最終手段です。

自分の弱い立場をさらけ出すことが次善の戦略ということもあり

ます。

 ただし、プライドの高い人には、とうてい無理ですが・・。

 通常は自信を持って、強みを発揮して交渉して欲しいと思います。しかし、必要に迫られた時は、相手に泣きすがるというのも

一つの方法です。
 

Question; 
 来週、全く乗り気でない相手に、当社への協力を取り付けるため、

面談に行きます。何か、良い方法はありませんか? 

Answer;
 難しい交渉ですね。でも、全く打つ手がないわけではありません。

 例えば、広告業界で盛んに使われている「ピーク・テクニック

(pique・technique)」という心理学の手法があります。これは、人・

興味などを刺激する・そそる・あおるという説得テクニックです。

 つまり、相手に「何故?」とか「おや?」と思わせること、あるいは

「ありえない」「考えられない」ということを投げかけることによって、

相手の好奇心をかきたてるわけです。
  
 今回の場合、相手が最初から「全く無理」と拒絶してきた時に

「そうでしょうね。分かります。それは無理ですよね」と素直に

肯定したとしたら、相手は「おや?」と思うのではないでしょうか。

 ここでのポイントは、まず、相手の発言を受け入れ、共感する

ことです。そして、まだ言い足りないようであれば、包み残さず発言

してもらい、それらを肯定しながら傾聴することです。この時点で

反論することはタブーです。

 2つ目のポイントは、相手が興味をそそるような交換条件を事前に

用意し「その代わり」と、相手のメリットになる何らかの「譲歩カード」

を先に提示することです。

 つまり、相手が全く拒絶ではないと判断できた時に「無理は百も

承知でお願いするのですが、その代わり〇〇については、当方で

こうさせていただきますので、ぜひ、お力を貸していただきたい」と

切り込みます。

 一方的に相手に求めるだけでなく、こうした「取引カード」の交換

による交渉を行えば、相手の心情は悪くなりませんので、少なくとも

次につながると思います。