Question;
 プレゼン(テーション)はできるのですが、特に、目上の人と1対1での面談は、緊張してしまうので苦手です。

 

Answer;
 このようなご質問はよく受けます。特にマネジメント職の方から、
「プレゼンはできるが、1対1の面談のできない部下が多すぎる」。

 

 それは当たり前です。なぜなら、「プレゼン」と「面談(or交渉)」
では、必要とされるスキルが違うからです。

 

 「プレゼン」の基本は、当方が伝えたい内容を相手にわかりやすく伝えることです。つまり、自分の話すことがポイントになります。


 ・当方の提案内容などを、正確に伝える。
 ・当方の提案内容などに、関心を持ってもらう。
 ・当方の提案内容などを持ち帰り、検討してもらう。
 
 表現手法としては「話す」「見せる」が中心で、「聴く」ことは必須
ではありません。

 

 だから、話の内容を相手(特定個人)の属性に合わせる必要はないので、特定個人についての事前調査も不要です。

 

 また、質問されそうな内容は、事前にプレゼンで説明しておけば、質問を受けなくても済みます。

 

 一方「面談」の基本は、面会してお互いに相談しながら問題を解決することですので相手に話してもらうことがポイントになります。


 ・相手の現状を把握し理解する。
 ・相手の話をよく聞き、疑問を解消する。
 ・(場合によっては)相手の話を持ち帰り検討の上、再提案する。

 

 活用手法としては「話す」「見せる」以上に「聴く」「聞き出す」こ
とが重要になります。
 
 面談は相手(特定個人)の属性に合わせる必要があります。そこで、特定個人についての事前調査が重要になってきます。

 

 また、どのような質問が出てきても、的確に答えるための事前準備と知識、経験が必要になります。

 

 「プレゼン」は一方通行のスキルであり、「面談(or交渉)」は双方向のスキルが要求されるという大きな違いがあります。

 

Question;
 ある交渉事で、すでに1年近く経過していますが、行き詰まっており、まったく進展がありません。

Answer;
 あなたは、交渉相手しか見ていないのではないですか?

 

 交渉において、行き詰った場合の対処法として「バルコニーにのぼれ」というのがあります。

 

 つまり、ズームアウトして俯瞰(ふかん)する(高い所から眺める)
と、相手を取り巻く状況や人物像などが見えてきます。

 

 交渉相手は一人で生きているわけではありません。家庭では家族がいますし、親族や友人、地域の役員さんもいるでしょう。

 

 また、会社では、経営者や上司、先輩や同僚もいるでしょう。その中には、恩人や頭の上がらない人もいるかも知れません。
 
 それらの状況を把握することで、解決の糸口をつかむことができるというものです。

 

 私もサラリーマン時代、同様の状況を経験したことがあります。

 

 某県庁所在地の繁華街のド真ん中に「貸店舗」が出ました。当時、店舗開発担当であった私は「貸してもらうため」現地に向かいました。

 

 ところがオーナーから「すでに借り手が40社以上来ているので、今頃来ても遅い。無駄だ」と素気ない返事です。

 

 当社の社長にその旨を報告したところ「10年に一度出るかどうかの好物件だから、ぜったいに借りろ」と逆に厳命を受けてしまいました。

 

 そこで、次の日からオーナーの元へ、夜討ち・朝駆けで一日に何度も訪問したところ、そのうちに「また、あんたか。もう来るな」と怒鳴られてしまいました。

 

 それでも訪問を繰り返していたある日、オーナーは留守でした。

その時、留守番の女性が「大変ですね」と声を掛けてくれました。

 

 そこで「オーナーさんはお子様やお孫様がいらっしゃるのですか?」と聞いたところ、孫が県下随一の進学校に合格したと言うのです。

 

 次の日「お孫さん凄いですね。〇○高校に合格したそうですね。お孫さんの頭が良いのはオーナーさんに似たのでしょうね」と言いました。

 

 するとオーナーは、私を手招きして自宅に連れて行ってくれました。その後、トントン拍子に話が進み、貸してもらえることになりました。

 

 交渉に行き詰まったら「バルコニーにのぼれ」です。

Question;
 相手は、発注数量が減ったにもかかわらず、単価値上げの条件変更交渉に取り合ってくれません。テーブルに着くこと自体を拒否しています。

 

Answer;
 着席すら拒否というのは、誠意の感じられない相手ですね。しかし、取引を中止できないのであれば、対策を考えましょう。

 

 まず言えるのは、今の交渉は『価格トンネル』に入っているようですね。つまり、お互いが価格だけに照準を当てた交渉になっています。

 

 それでは「奪い合う」関係で、お互いが納得できる合意は望めませんし、人間関係も悪くなりがちです。相手は着席拒否を止めないでしょう。

 

 ビジネス交渉は「奪い合う」ことではなく、パートナーとして「創り出す」ことです。

 

 そこで「価格」以外で当方が獲得したい「優先カード」をいくつか用意し、それを「取引カード」とします。

 

 逆に当方として「単価値上げ」は譲れないのであれば、その代わりに相手に差し上げても良いという「譲歩カード」をいくつか検討し、それを「取引カード」として相手と交渉してください。

 

 ただし「取引カード」は最初から「何もない」と決め付ければ何も浮かんできません。「何かあるはずだ」という気持ちで熟慮すれば、必ず浮かんできます。

 

 「価格」以外の「取引カード」としては次のようなものです。

 

・数量 ・納期 ・品質 ・仕様 ・支払条件 ・契約期間 ・業務分担 
・アフターサービス ・次回取引 ・納品条件 ・紹介/推薦、など

 

 そして、相手に対しては「良い提案がある」というメッセージを投げて、会談の糸口を作ることです。

 

 取引中止は最後の手段として残しておき、誠意をもって、何度でも粘り強くアプローチして、会談の機会を得てください。