書名:偽のプリンセスと糸車の呪い
原題:Spindled
作者:シャンナ・スウェンドソン(アメリカ作家)
出版:創元推理文庫
内容:米国テキサス州東部の田舎町。高校生のルーシー・ジョーダンと親友ドーンは明日十六歳の誕生日を迎える。ドーンが六年生の時に引っ越してきて以来ずっと一緒に祝ってきたのに、今年に限ってドーンの育ての親である三人のおばさんに、明日一日家から出ることを禁じられたのだ。憤慨するルーシーの隣りでドーンは歌を歌い始める。学校一の美少女ドーンの歌声は素晴らしく、あらゆる生き物が魅了され鳥まで歌声に合わせるほどだ。ドーンはオーディションを受けるために市民劇場に向かい、ルーシーはバイト先のドラッグストアのソーダ売り場に行く。ルーシーは仕事の合間に幼馴染みのジェレミーに電話をかけ、ドーンの事情を説明して呼び出す。実はルーシーはジェレミーに対して恋心を抱いている。ルーシーはドラッグストアのギフト売り場でドーンのプレゼントを用意した。そしてオーディションを終えたドーンがやってくると一日早い誕生日祝いをする。ルーシーがプレゼントしたブレスレットを見たドーンは感動し、自分のネックレスを外してルーシーの首につける。ドーンの母親のものを受け取れないというルーシーに、誕生日の一日だけでもつけていてとドーンは返す。翌日、ルーシーはさえない気分で誕生日だというのに運転免許の最終試験に向かう。そこへ甲冑に身を包んだ騎馬の男たちが現れ、ルーシーを拉致して巨大な光る門を通る。三人の黒騎士に異次元の世界に連れてこられたルーシーは城に運ばれる。玉座に座る女性のまえに連行されたルーシーは、「おまえに糸車のつむに指を刺して死ぬ魔法をかけた」と言われる。この世界に既視感があったルーシーは『眠り姫』を思い出し、自分がフェアリーテイル(おとぎ話)の世界にいることを悟った。ルーシーがつむに触れても死ななかったので、魔女は彼女が「オーロラ姫」かどうか疑う。すると、衛兵はネックレスを指さし「王家の印」だという。ルーシーは『オーロラ』には『ドーン(夜明け)』という意味があることに気付く。ルーシーは城の地下牢に幽閉されるが、彼女をプリンセスだと信じるロイヤリスト(王政支持者)の若者・セバスチャン・シンクレアに救出される。ルーシーは自分が偽者だと明かせないまま、セバスチャンと言葉を話す犬たちの助けを借りて逃げる。一方、ドーンは育ての親であるおばたちが話していることを聞いてしまい、ルーシーの失踪に関わっているらしいと気付く。おばたちが庭の物置小屋のなかに光のゲートを作る様子を覗き見たドーンは、抗いがたい衝動を感じる。ドーンはひそかにジェレミーを訪ねて事情を説明し、二人でゲートを通って友人を探しに行く。
エール:ハーブや香辛料で苦みをつけた醸造酒
「いざというときは、止まる、倒れる、転がる(着衣に着火したときの自己防衛策として子どもたちが習う標語)。」