書名:それが神サマ!? 三の巻「悪霊っ?」
作者:橘もも
出版:講談社 青い鳥文庫
内容:一学期の終業式の日。上埜家では朝からお寿司の準備がはじまっていた。夕方、台湾に単身赴任中のパパが帰ってくるのだ。学校を終えた颯月が上埜神社に帰ってくると、階段の途中で不思議な風を感じた。自称「神サマ」のハルを連れた颯月が階段をのぼると、鳥居の脇に見たことのない男の子が立っている。そして颯月にしか見えないはずのハルに対して、「鬼」と呼んで敵意をむき出しにし、不思議な術を使った「お祓い」攻撃をしかけてきた。李宥翔(リーヨーシャン)という名前のその男の子は、パパの友人の息子で、夏休みの間、父子で日本に遊びにきたという。その夜、物音に気付いた颯月が境内に行くと、宥翔(ヨーシャン)とハルがにらみあってして……。
「神主(かんぬし)っていうのは神職(しんしょく)――神サマにお仕えしている人のことで、そのなかでも神社をとりしきっている人を宮司(ぐうじ)っていうんだ。」
白丁(しらはり)と呼ばれる、神官が着る装束
「そもそも十二支ってなんだか知ってるか?」
「毎年の干支でしょ?」
「もともとは植物のかたちをあらわしたものなんだ。はじまりの子(ねずみ)は、タネ。寅で発芽して、卯(うさぎ)で若葉が茂る。最後の亥(いのしし)で、草木は枯れ、次なる命を地中に宿す。ぐるっとひとまわりする、命の循環を示しているのが十二支なんだよ」
「台湾や中国では、亥(い)といえば豚のことだよ。十二支に猪を入れているのなんて、日本人くらいじゃないか?」
「死んだ人間の魂のことを俺たちは鬼と言う」