書名:それが神サマ!? 一の巻「あらわる」
作者:橘もも
出版:講談社 青い鳥文庫
内容:風鳴町(かぜなりちょう)で暮らす小学五年生の上埜颯月(うえのさつき)は上埜神社の一人娘。ある五月の夜明け、自分だけに聞こえる鈴の音の正体を確かめたくて、颯月はご神体が祀ってある本殿(ほんでん)に入った。そして、音が聴こえる木箱を取ろうとして棚から落として粉々にしてしまった。片づけようとした颯月は、黄金色の古びた神楽鈴(かぐらすず)見つけて手に取る。すると、知らない男が現れて颯月に声をかける。二十代後半の平安貴族のような格好をした不審者は、薄く透き通った光を全身から発していた。「俺はこの神社の神様だ」と名乗る男に驚いた颯月は祖母の所に逃げ込むが、ご神体を壊したことを言えなくて誤魔化してしまう。しかも「ハルツグ」という名前の男の姿が見えるのは颯月だけのようだった。とんでもないことになったと考えながら登校する颯月は、途中でクラスメートの男の子・瀬川廉(せがわれん)に会う。廉は従妹で転入生だという女の子・柏木優菜(かしわぎゆな)と一緒だった。素っ気ない様子のユナだが、顔色の悪い颯月にハンカチを差し出してくれる。そのユナの肩に、やはり颯月にしか見えない『いがぐり』がくっついている。とっさにユナの肩を右手で払った颯月は倒れてしまい……。
龍笛(りゅうてき)は、長さ四十センチの、竹でつくられた横笛だ。
神楽歌(かぐらうた)、と呼ばれる神社でなにか行事があるときに流れる、音楽を奏でるためにつかわれる楽器のひとつ